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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年10月25日木曜日

2012年10月25日木曜日10:00
こんにちは。けいこです。

蔵王や栗駒山など、宮城県内の山間の地域では木々が色づいているようです。
紅葉狩りの計画を立てていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
観光にも最適なこの季節。
県外の方にもたくさん足を運んでいただき、思う存分宮城を楽しんでもらいたいです。

さて、そんな観光について考える、『仙台観光フォーラム~DCから観光戦略を考える~』が12日(金)、仙台市情報・産業プラザで行われました。
2013年4月から6月末まで行われる「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」を前に、東日本大震災を経験した今、仙台の観光を盛り上げ、たくさんの方を宮城に招くための方法を探りました。



『デスティネーションキャンペーン』については、みなさんご存知ですか?
JR6社、地元自治体、観光関連会社などの民間企業が一体となってひとつの地域の観光をPRし、多くの観光客がその土地へ足を運ぶように取り組む、国内最大規模の観光キャンペーンです。
2013年の開催場所に選ばれたのは「宮城」
2008年以来、2度目の開催です。

県内の各地域では来年の開催に向けて着々と準備が進んでおり、
「観光を通じて宮城県全体の復興につなげたい」という思いが、このキャンペーンに込められています。

まず、どういった経緯でこの「仙台観光フォーラム」が行われることになったのか、仙台市観光交流課の小山裕行さん、三澤翠さんにお聞きしました。

「今回のデスティネーションキャンペーンは震災後の観光自粛ムードや、風評被害を経験した後の大型キャンペーンです。観光に関係する企業の方だけではなく、市民の方にも震災後の観光についても考えてもらいたいと思っています。たくさんの分野の方からの声を聞きたいということで仙台観光フォーラムを企画しました」

市民の方も観光について考えてほしい、という小山さん。
では、市民に向けてはどんなことを期待されているのでしょうか。

「たくさんのお客さまを迎える“おもてなし”が必要になってくると思います。そのためにも市民一人一人の方にご協力いただきたいですね」


『仙台・宮城にぜひお越しください!』
仙台市観光交流課 小山裕行さん、三澤翠さん

観光客を迎える“おもてなし”。
私たちはどんな“おもてなし”でお客さんをお迎えすればいいのでしょうか。
仙台観光フォーラムで行われたパネルディスカッションの中にヒントがありました。

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仙台観光フォーラムは、仙台市副市長の伊藤敬幹氏からのあいさつのあと、仙台市観光交流課長の高島秀一氏より仙台市のデスティネーションキャンペーンによる取り組みが紹介されました。

その後に行われたパネルディスカッションには、
●紺野純一氏(仙台ターミナルビル㈱専務取締役ホテル事業本部長兼ホテルメトロポリタン仙台総支配人)
●鈴木素雄氏(河北新報社 論説委員長)
●高橋知子氏(秋保温泉篝火の湯 緑水亭 若女将)
●志賀秀一氏(株式会社東北地域環境研究所代表)
の4名が登壇され、それぞれの立場から考える仙台の観光における問題、今後の課題などについて意見を交わしました。

パネリストの紺野氏、高橋氏、鈴木氏。


コーディネーターを務めた志賀氏。
そもそも、今の仙台の観光について、どんなことが問題なのでしょうか。

鈴木氏は、こうおっしゃっていました。
「仙台の観光は“イベント型”なんです。仙台七夕、ジャズフェス、光のページェント…。戦災によって歴史を感じる資源を無くしてしまった今、イベント型の集客が宿命となっています。
これでは観光は定着しませんよね」
「伊達政宗の色を強く推し進められてはいかがかな、と思います」

“伊達政宗”という偉大な武将の縁の地でありながら、なかなか歴史を感じられない仙台。戦災によって歴史的なものが無くなってしまったとはいえ、偉大な武将の功績が感じられない街というのもなんだかさみしいですよね。
それなら、「伊達政宗を感じられる仕掛けを作ればいい」と、鈴木さんは話を続けます。



「おしゃれや粋であることを表し、伊達政宗がその由来といわれる“伊達男”という言葉。
この気質を今の仙台に受け継ぐことはできないでしょうか。
伊達政宗が当時には珍しい好みの持ち主だったことから生まれた言葉ですが、その粋についてもう少し深めてみることも大事かもしれません。そして、政宗様の御膝元であったことを意識づける街づくりが必要なのでは、と感じます」

例えば、『STAR WARS』に出てくるダース・ベイダーの黒いマスク。
このモチーフとなったのは伊達政宗の兜であることは有名な話ですが、当時、真っ黒の甲冑はとても珍しいものであったそうです。
“歌舞伎者”と呼ばれた伊達政宗の個性。
そんな世界でも通用する個性を持っていた伊達政宗の“粋”を引き継がないのはもったいない気がします。

また、志賀氏はこんなことを話していました。
「県外の方に、伊達政宗について聞かれたときに、以前は何も答えられなかったんです。
みなさんはどれだけ伊達政宗についてご存知ですか?
県外からたくさんの人を迎え入れるのであれば、宮城県についてもう少し知る必要があると思います」




私たち自身が仙台を知り、宮城を知る。
お客さんを迎える“おもてなし”の準備は、自分の住む土地について詳しくなることからスタートできそうです。

そして、被災地への観光についても考えなければなりません。
前回のデスティネーションキャンペーンの時とは違い、復興へ進む被災地、仙台・宮城の姿と、震災の記憶を伝えることも大事だと思います。
デスティネーションキャンペーンで県外からのお客さんを迎えるにあたって、震災の記憶を広める生き証人になる、というのも、あの大地震を経験した私たち全員ができることなのかもしれません。

被災地を観光地化することへはさまざまな意見があります。

しかし、被災の状況、復興の状況をたくさんの方に見ていただき、被災地の方の気持ちに少しでも寄り添ってほしいと私は考えます。
その上で宮城にしかない美味しいものを食べ、宮城にしかない自然を目にし、宮城にしかない人の温かさに触れてほしいです。
また、前へ向けて一歩一歩活動を続ける仮設商店街なども訪ねてほしいと思います。

来年は慶長遣欧使節出帆400年という節目の年。
支倉常長のゆかりの地を巡るツアーなどもあるそうです。
暖かくなった春の仙台に、たくさんの方が足を運んでくれることを願っています。

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現在仙台市では、仙台の観光PRを目的に伊達政宗をメインとしたデザインの「仙台版」クオ・カードを作成しています。
5種類のデザインの中から投票で選ばれた1デザインを仙台版のご当地クオ・カードとして作成し、全国で販売するそうです。
投票は、株式会社クオカードのホームページおよび(公財)仙台観光コンベンション協会公式フェイスブックの中に設けられた「仙台版」クオ・カード投票専用ページから投票できます。

詳細はこちらをご覧ください。



(取材日 平成24年10月12日)