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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年9月25日火曜日

2012年9月25日火曜日17:25

えみです。

9月18日、まだまだ仙台は暑い日が続いておりますが、暑さに負けず自転車で今日も取材に行って参りました。取材先は定禅寺通り沿いにある「せんだいメディアテーク」。
「せんだいメディアテーク」では、多彩なイベントが常時行われており、市民図書館やギャラリー・スタジオなどを備え市民活動の場としても使われています。

今日の取材先は、せんだいメディアテークの定番イベント、考えるテーブルの中の


vol.12 障がい者グラフィティ』
   テーマは『東日本大震災の記録誌発行とこれから』





せんだいメディアテークでは、『考えるテーブル』と題し、テーマを決めて震災復興や地域社会、表現活動について考えていく場を開催しています。この講座は誰でも参加可能です。
会話を通して自分の周りにあるさまざまな問題点などを見つめ直したり、参加者同士で情報交換が行われています。


障がい者グラフィティは毎月1回開催されており、昨年の10月からスタートしてちょうど今月で1年を迎えました。
毎回さまざまなゲストを迎えて、情報を共有することによって、災害が起きても自分たちでできることは何かを考える機会となっており障がい者のみならずたくさんの参加者が訪れます。



『忘れない 伝えよう つながろう 東日本大震災の記録•宮城』



 本日の障がい者グラフィティのゲストは泉区福祉ガイドブック作成委員会顧問の谷田部眞理子さん。谷田部さんたちの委員会では地域に密着した福祉と人のネットワークづくりの活動に取り組み、仙台市泉区を中心とした福祉情報を集めた『泉区福祉ガイドブック』を隔年発行しています。
 また震災後は、記録誌『忘れない 伝えよう つながろう 東日本大震災の記録•宮城』を発行しました。
 本日のvol.12 障がい者グラフティ』は編集を行った谷田部さんがこの記録誌を発行するに至った経緯や目的、内容紹介、感じたことをお話しされました。
 司会進行はNPO法人ゆにふりみやぎの伊藤清一さんです。


「NPO法人ゆにふりみやぎ」は宮城・仙台のバリアフリー観光の情報提供、相談を行う団体です。代表の伊藤清市さんは車いす使用者でありながら仙台市内のバリアフリーマップを作成しました。伊藤さんは障害が有る無しに関わらず誰もがいつでも気軽に旅行ができるようにと願っており、各地の視察してきた現状を情報提供しています。






障がい者グラフィティはアーカイブ配信されており、ライブ生中継しながらのトークイベントとなりました。撮影スタッフの『お願いします』の掛け声でスタートです。

 ◎イベントは司会の伊藤さんからゲストの谷田部さんへ質問形式で進められました。


NPO法人ゆにふりみやぎ代表の伊藤清市さん(左)と
泉区福祉ガイドブック作成委員会顧問の谷田部眞理子さん(右)



伊藤さん
 福祉関係のガイドブック等はなかなか一般の本屋では置いていないのに、谷田部さんたちの委員会が発行している『泉区福祉ガイドブック』はいつでも本屋で山積みになってますね。すごいなあと感じました。

谷田部さん
 平成11年5月に福祉ガイドブックを作ろうと委員会を立ち上げました。平成13年1月に第1号が発行されており、それから隔年で発行しています。

伊藤さん
 福祉ガイドブック発行の目的は何ですか?

谷田部さん
 平成7年12月にボランティア団体を立ち上げた時に、活動するにあたり情報がなく、試行錯誤していました。普通の市民が使うことができる福祉ガイドブックがないことが分かりました。町づくりを考える委員会に参加する機会があり、そこで困った時の相談機関等地域の情報を幅広く載せた今のガイドブックの原型となる物を作りました。その時は書店で販売できなかったので、多くの人たちに見ていただきたいと、立ち上げた委員会では書店に置いてもらえるように努力しました。

伊藤さん
 メンバーは何人ですか?

谷田部さん
 正会員に資金的援助をしていただく賛助会員を合わせ、現在約50名です。

伊藤さん
 活動内容はガイドブック作成の他にありますか?

谷田部さん
 人と人とが顔を合わせて繋がっていく場として『泉区福祉のつどい』を開催しています。異業種の方も参加し情報交換の場となっています。他はラジオ局FMいずみのトピックライブラリーを担当しています。

伊藤さん
 記録誌発行の経緯と目的を教えてください。

谷田部さん
 震災後、委員会として何ができるか?今までの活動を生かして私たちだからこそできることは何かと考え、記録誌を作ることに決まりました。『震災を忘れない!教訓を後世に伝える!復興に向けていろんな人がつながってゆこう』という思いを込めて作りました。

伊藤さん
 記録誌の内容について教えてください。

谷田部さん
 記録誌はスタッフが見た大震災から始まります。子どもが車の中でおびえている写真等生活目線の状況が細かく写されています。  
 『記録編』では福祉施設(高齢者•障がい者•児童)や市民活動団体にアンケートをお願いして被害の状況、災害時の対応、支援活動等を書いてもらいました。視覚•聴覚障害者、病人の方等の災害時要援護者の方も含め15名の方に個人の体験を寄稿してもらいました。
 『支援編』では高齢者、障がい者、子ども、女性•妊産婦など要援護者に対しての支援活動団体を紹介しました。ほか各種団体の支援活動を内容別にこころのケア、アート•文化、手仕事などの項目で載せました。
 ボランティアを含め23名の方で取材し情報を集めました。一人平均5件ぐらい取材に行っていただきました。
 資料として利用者を預かる事業所を想定して災害に備えてのチェックリストを載せました。施設が使用できなくなった場合はどうするかなどの再開に向けた対策も組み込んでいます。


伊藤さん
 ガイドブックを作って感じたことはありますか?

谷田部さん
 予想を上回るたくさんのアンケートの返答があり、記録を後世に残したい、生かしてもらいたいという思いを文面に強く感じました。 記録として残すことの大切さをあらためて考えました。また支援団体では、多くの若い人たちがボランティアとして活躍していることにも目を見張りました。復興への力として心強いですね。


最後に谷田部さんから••••••••••••

  『喉元過ぎれば熱さ忘れる』の言葉がありますが、意識的に記録として残しておかないと何も思い出すことができない。また次の者に伝えられません。
  作成のタイミングも重要で震災後、記憶が薄れないうちに情報を収集して残してゆけたことは意味があったと思います。
  記録が風化してしまわないように、記録誌を発行した者の使命としてこれから先も細く長く携わってゆきたいです。


泉区福祉ガイドブック作成委員会 顧問、谷田部眞理子さん『細く長く』



主催者であり司会者の伊藤さんから•••••••••••••••••

障がいに関する事は全般的に広がりにくいです。絶対数が違うため、ご高齢の方や子どもには関心を持っていただけるけれども、なかなか障がい者のことは分かってもらえないのが現状です。毎月行われている障がい者グラフィティを開催することによってもっと障がい者のことを知ってほしい。それが一番の狙いです。
 また災害弱者と言われていますが、障害をもっておられる方も支援される側だけではなく、自助の気持ちをもってほしい。できないことのサポートを受けるのは仕方がないけれども自分たちでもできることをさがし、減災•防災に努めてほしいです。
 障がい者と言われる中でも、障がいの場所が違うと分からないこともたくさんあります。
 例えば足の不自由な人は目の見えない方の苦労は分かりません。

障がい者グラフィティの様子をアーカイブでも配信しているのでぜひ多くの方に見ていただき、一緒に考え、障がい者のことを少しでも分かってもらえたら嬉しいです。


NPO法人ゆにふりみやぎ代表の伊藤清市さんからのメッセージは、『一歩一歩』



取材を終えて••••••••••••

 災害が起きると最も困ると思われる障がい者、子ども、高齢者、妊産婦など「災害弱者」と言われている人々。この方々は今回の大震災ではどのような状況だったのでしょうか?

 津波の被害にあわれた方や被害が大きかった地域などはメディアで大きく報道されました。しかし、災害弱者の震災時の様子はあまり報道されていなかったと思います。
 今日、障がい者グラフィティを取材して初めて分かったことがたくさんありました。
 谷田部さんが話していた通り、一般に福祉ガイドブック等は本屋さんには置いていません。なので福祉施設がどこにあり、どのような支援をしている団体なのかも分かりませんでした。しかし、自分に直接関係ないから知らなくてもいいのでしょうか?
 災害弱者に対して、自分のできることを支援してあげることも大事ですが、その方たちの気持ちに寄り添い理解してあげることが一番大事だと思います。
 谷田部さんたちの委員会が今回発行した『忘れない 伝えよう つながろう 東日本大震災の記録・宮城』は福祉施設を利用している人々の震災後の様子、困ったこと等がたくさん集められた記録誌です。まず知ることが大事です。
 本屋さんでも売られていますので、ぜひご覧になっていただければ幸いです。




<次回のお知らせ>
vol.13 障がい者グラフィティ
 テーマ『建築士として要援護者と向き合うこと』
        2012年10月16日(火)      14時〜15時30分 
       せんだいメディアテーク7階スタジオa
 http://www.smt.jp/thinkingtable2012/?p=867  

(取材日 平成24年9月18日)