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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年8月10日金曜日

2012年8月10日金曜日20:00
えみです。

今年の仙台七夕祭りには、昨年にも増してたくさんの観光客が仙台市に訪れて賑わっていましたね。


8月5日。
七夕前日の街並みを眺めながら、定禅寺通り沿いにある「せんだいメディアテーク」に行って参りました。

せんだいメディアテークとは-----------------------------------
 美術や映像文化の活動拠点であると同時に、すべての人々がさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりを行い、使いこなせるようにお手伝いする公共施設です。市民図書館やギャラリー、スタジオなどを備え、多彩なイベント市民活動の場としても使われています。(H Pより)




お目当てはこのトークイベント。

考えるテーブル 第13回てつがくカフェ テーマは「震災を《記録》するということ」

「てつがく」と聞くとすごく難しそうという感じがしますね。

考えるテーブルはすべて黒板を使用します。
参加者が座っているテーブルも黒板になっていました。


せんだいメディアテークでは「考えるテーブル」と題して、毎回テーマを決めて人が集い語り合いながら震災復興や地域社会、表現活動について考えていく場を開いています。
考えるテーブルhttp://www.smt.jp/thinkingtable2012/
てつがくカフェ@せんだいHP http://tetsugaku.masa-mune.jp/

<てつがくカフェとは>
てつがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、そもそもそれって何なのかといった問いを投げかけ、ゆっくりお茶を飲みながら、「哲学的な対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。(HPより)





考えるテーブルとは人が集い語り合いながら震災復興や地域社会、表現活動について考えていく場です。
トークイベントや公開会議、市民団体の活動報告会など多様な催しを行っています。

開始時間になると、会場である1階のオープンスクエアには大勢の参加者が集まって来ました。


甲斐賢治さん(せんだいメディアテーク企画・ 活動支援室室長)

最初に、せんだいメディアテーク企画・ 活動支援室室長の甲斐賢治さんが、今日のテーマ「震災を〈記録〉するということ」をめぐってスピーチしました。


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せんだいメディアテークも震災の被害が大きく、しばらくは使えない状態にありました。
しかし、「この施設で、何らかの活動をする必要があるだろう」という声がスタッフたちの間で上がり、話し合いを重ねた結果、破損を免れたビデオ、カメラ、コンピュータなどのデジタル機材を使って、震災からの復興の様子を記録していくことにしました。
2階に小さいスペースを用意して、市民の皆さんにも参加していただき活動が始まりました。
そして、地震から約2カ月後の5月3日。
震災からの復旧・復興のプロセスを記録し、発信する拠点として「3がつ11にちをわすれないためにセンター」のオープンに漕ぎ着けました。
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甲斐さんは、市民の手で震災からの復興を記録し保存してゆくこの活動の今後について、

「“3がつ11にちをわすれないためにセンター ” を通じて、テレビでも映画でも見ることができない個人の震災の記録を残してゆきたい。それは非常に見る人によっては意味のあるものに変わってゆくでしょう」

と結びました。


■「3がつ11にちをわすれないためにセンター」について
 市民、専門家、スタッフが協働し、復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくために、せんだいメディアテークが開設したプラットフォーム。映像や写真などのさまざまなメディアとインターネットの活用を通じ、広く情報共有し復興推進に努めるとともに、収録されたデータを「震災の記録・市民協働アーカイブ」として記録保存しています。
http://recorder311.smt.jp/


甲斐さんからの話題提供の後は、いよいよディスカッションです。

初めに、ファシリテータ(進行役)を務めた東北文化学園大学医療福祉学部准教授西村高宏さんが「てつがくカフェ」の進め方について説明しました。

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「てつがくカフェ」とは決して堅苦しい討論の場ではなく、市民の方々が人の意見を聞きながら自分なりの言葉で自分の考えを逞しくしてゆくのが基本的なコンセプト。目的は、震災という出来事を自分たちの会話を通して考え直してゆくことです。だからどんどん市民の方々に参加して意見を出していただきたいのです。
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東北文化学園大学医療福祉学部准教授西村高宏さんが
ファシリテータ(進行役)を務め、たくさんの意見が交わされました。





西村さんは、「記録」をしっかりと主体的に残していくための心得として、次の4点を挙げました。
  ●誰がつくるのか?どういう責任のもとでやるのか?
  ●なんのために?
  ●知りたい記録は?(良い記録/悪い記録)
  ●人を救えるのか? 

そして、参加者が出す一つ一つの意見に対してこの4点を質問して、考えを明らかにしながらまとめました。
そのいくつかをご紹介しましょう。

<参加者の言葉>
 ・記録を残すことは、災害があったことの事実を忘れないため!
 ・小さいことでも情報はみんなに正確に伝わってほしい。

 ・記録とは事実を残すこと。自分の主体性をもとにその人の立場によって違う。
 ・記憶とは自分の自由意志
 ・記録と記憶はつながっていても意味は違う。

 ・自分の気持ちを整理するために記録する。制限されるべきものではない。
 ・いかなる人でもいかなる理由でも記録してもよい。
  
 ・残されたものだけが資料として存在する。記録に残っていないものは抹消される現実がある。
 
 ・市民の一人として本当に知りたい、残したいというあらゆる記録を撮るという行為は、何らかの意味があるのでないか。

 • 客観的に全部記録することは不可能。しかしやらないよりはやった方がいい。

 •記録によって人は救える。

参加者の皆さんと交わされた話の内容は全て黒板に板書されます。
同時に音声を記録し交わされた言葉をそのまま読むことができます。



考えるテーブルは、大小さまざまな黒板によってイベントごとに空間の構成を変えていきます。
椅子や机になるような箱も黒板として使うことができます。

てつがくカフェ  カウンタートーク
毎回、カフェ閉店後に行う、てつがくカフェスタッフによる延長戦トークです。過去のものを以下より視聴ができます。
http://recorder311.smt.jp/tetsugaku/

参加者の中には、市内荒浜地区や石巻市など津波の被害に遭った地域から来た人もいました。
津波の被害には遭わなかったけれど震災の被害に遭われた方、
そして震災の被害を全く受けなかった地域から来た人もいました。

震災当時に住んでいた地域によって記憶は当然違うでしょう。
しかし、震災が起こった事実を風化させず後世に残すためにも、各々の記憶を記録してゆくことは必要なことだと思います。

今私が取り組んでいる、復興の様子を取材してブログを書くという仕事も、「記録を残す」行為です。
ささやかですがお役に立てていれば幸いです。

(取材日 平成24年8月5日)