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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年7月24日火曜日

2012年7月24日火曜日3:30

こんにちは! えみです。


7月8日、山元町高瀬にある応急仮設住宅で『思い出の写真返却会』が行われました。
これに関する記事を以前、ココロプレスでご紹介しました。

思い出の写真返却会(山元町高瀬)
http://kokoropress.blogspot.jp/2012/07/blog-post_12.html



震災後、自衛隊員が救助•捜索活動中に倒壊した家屋等の瓦礫の中から見付け出し、一時的に保管されていた写真やアルバム。
保管されていた写真の多くは泥や海水にまみれて、腐敗が進もうとしていました。
これらの写真は、誰がどうやって修復して、持ち主に返却されているのでしょうのか?


今回は、一度失いかけた大事な写真やアルバムが持ち主さんに返却されるまでのお話を、詳しくお伝えしたいと思います。









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『泥や海水にまみれた写真をどうすればいいのか?』

『何とか修復して保管できないものか」

『膨大な、バラバラになった写真を効率的に持ち主に返すにはどうすればいいのか?』

作業をしていた誰もが心配をしていました。


ボランティアとして山元町に来ていた日本社会情報学会(JSIS -BJK) 災害情報支援チーム。
これらの写真やアルバムを見て、
『修復作業を緊急にやらねば!』
と早速、プロジェクトチームを組み、作業に取り掛りました。
そのプロジェクトは「思い出サルベージ」と名付けられました。

思い出が詰まったたくさんの写真が、泥をかぶってしまっている。
それらの写真を、心をこめて泥をぬぐい、洗浄する。
複写し、誰のものかわからなくなってしまった写真を持ち主の手元に届ける。

それが「思い出サルベージ」です。


日本社会情報学会(JSIS -BJK) 災害情報支援チーム
日本社会情報学会(JSIS)では、危機に直面する地域社会への情報技術貢献の観点から、所属の若手研究者・大学院生・大学生が集まり、災害情報支援チーム(BJK)を結成して、被災地の支援活動にあたっています。特に面積の50%が津波で浸水し、人口の半数近くが被災しつつも、そもそも情報インフラが貧弱であった過疎地である宮城県亘理郡山元町に支援地を絞り、ITを失った地域社会に、ITを導入し直して貢献するために、積極的な支援活動を行っています。

回収された写真の総数は、実に約75万枚。
想像もつかないほど膨大な枚数の修復作業がいかに大変なことだったのか。
日本社会情報学会(JSIS -BJK) 災害情報支援チームのメンバーの一人である、新藤祐一さんに
インタビューしました。

「日本社会情報学会(JSIS)は元々、パソコンを使った情報支援をメインに活動していました。
しかし4月半ば頃から、“保管している写真をどうしたらいいか? パソコンを使って何とかできないだろうか?”といった写真に関する相談が増えてきました。
5月ごろ、ツイッターで複写の技術を持った方を募ると、賛同したカメラマンが全国から山元町に集まりました」


<写真返却会までの流れ>
2011年
4月末、洗浄スタート。
   5月から7月までの平日の間、1日15人くらいで作業。
   (1人当たり2000枚ほど洗いました)
5月、複写をスタート。
6月中旬から、作業と平行して町内の『歴史民俗資料館 ふるさと伝承館』にて、
  「被災写真展示•公開」がスタート。
7月ぐらいまでの間、毎週末にカメラマンに来てもらい複写。一番遠い人は福岡から。
7月、毎週末1泊2日で全国からおよそ200人(のべ500人)のボランィアが山元町に集合し、複写•洗浄に分かれて作業。
7月の終わりには、洗浄•複写がほぼ終了。

2012年
6月、応急仮設住宅団地での返却会がスタート。
   1回目は中山仮設、2回目は町民グラウンド仮設。
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「まだ返却は全体の3割ぐらいですが、来年の3月ぐらいまで返却会を続け、もっと写真を返却したいですね」
と新藤さん。
「今でも全国各地のボランィアの方々に協力をいただいています。長崎、山口、静岡、神奈川(武蔵小杉)それに青山学院大学の方々です。山元町まで来ていただくのは大変なので、写真やアルバムを各団体に送って、洗浄して送り返してもらっています」

この作業に掛かる送料やアルバム代などの費用は、すべて先方の団体が負担してくださっているのだそうです。
恐れ入ります。ありがとうごさいます。


◆ハートプロジェクト長崎
ブログ: http://ameblo.jp/heart-nagasaki/

◆あらいぐま作戦 in 山口周南
ブログ: http://yamaraiguma.blog.fc2.com/

◆ハートプロジェクト静岡
HP: suzuyaのカメラ屋ブログ
 http://suzuya.hamazo.tv/

◆武蔵小杉さかい歯科医院写真洗浄ボランティア(神奈川県川崎市)
ブログ:http://ameblo.jp/lunacreation/

◆青山学院大学 ボランティアステーション
ブログ: http://ameblo.jp/agu-vsta/theme-10037800182.html











<写真•アルバムはこんなふうに修復されます>
1.写真の隅から一枚ずつていねいに水道水で洗います。写真の色が落ちてこないか確かめながら慎重に進めます。一枚につき5〜6分かかります。
 (バクテリアが写真の表面に付着しているゼラチンを食べ尽すと写真の色も落ちてくるそうです)

2.重ならないように、一枚ずつ紐に洗濯バサミで留めて乾かします。

3.デジタル一眼レフカメラで複写します。

4.複写された写真は全てパソコンに保存され、早く持ち主が分かるように1枚ずつデータベースに収めます
  写真には1枚ずつインデックスを付け、写っている内容のキーワード(例えば「結婚式」)をデータ   として残しておくと後で見付けやすいそうです。  
  
5.オリジナルの写真は発見されたエリアごとにポケットアルバムに収められます。
  こうするおかげで、運が良ければ探していた写真が同じポケットアルバムに収められていることがあります。
 ••••••••効率的な探し方ですね。

 また、アルバムは重くて閲覧するのが大変なので、代表的な写真を抜き出して1枚の紙に印刷し、すぐに見られるカタログにしています。

             

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  「震災によって亡くなられたことは言うまでもなく悲しいことです。その上、写真を失った結果、  顔の記憶が薄れていくことも辛い、と伺っています」
  新藤さんは最後に静かにこう語りました。

  わずか一粒のかけらでもいいので、そばにおいてずっと記憶にとどめておきたい。
  亡くなられた方はもう戻っては来ませんが、せめて写真が残っていれば、
  ほんの少しですが、前向きに『がんばろう』という気持ちになってくれるのではないでしょうか?

  日本全国にいるたくさんのボランィアの方々の共同作業によって行われた
  『思い出のサルベージ』プロジェクトは
  山元町で被災した人々を励まし勇気づけています。
 
  あらためて、被災地で無償でボランティアとして活動してくださる方々にお礼を申し上げます。
      
              本当にありがとうございます。


 (取材日 平成24年7月8日)