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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年7月13日金曜日

2012年7月13日金曜日14:04

こんにちは、えみです。

先日、山元町高瀬の応急仮設住宅で行われた『出張写真返却会』の様子をココロプレスにて
ご紹介させていただきました。
今日は、その仮設商店街の一角にあるお店『金ちゃん』をご紹介します。

ものすごく暑かった取材の日
『お昼ごはんはどこで食べようかな?』
と応急仮設住宅の周りを一回りすると、ありました!
私の目に最初に飛びついたのは
『金ちゃん』という大きな看板。
それも看板が2つもありました。

向かって入り口の左側には立派な石に彫られた「金ちゃん」、
右側には震災前までに営業していたお店で使われていたと思われる
『ラーメン 金ちゃん

入り口の左右に、この2つの大きな看板がどっしりと置かれていました。

『らーめん 金ちゃん』のご主人
渡辺 佳仁さん
さっそく中に入りお食事をすることに。空いている席はわずかしかなく満席状態。繁盛していますね。
私がお昼ご飯に注文した和風つけ麺は腰があり、ツルツルして食感もよく冷たくて美味しかったです。

この日は夏日でもの凄く暑かったこともあり、冷たい麺を一気にたいらげてしまいました。


みそラーメン 

煮卵丼

中華そば

看板の謎も知りたかったので取材をお願いしてみると快く了解してくれました。
いったん会計をすませ、店の閉店時間が過ぎた3時ごろにまた訪れて取材スタート。

早速お話を伺いました。

ご主人の名前は渡辺佳仁さん。
山元町の出身で、山形県南陽市でラーメンの修業をしました。
地元に戻り『金ちゃん』を開業し、今年で17年たちます。

お店は元々、山元町役場の近くにありました。
高台にあったため津波こそ免れたものの、震災によって建物は傾き、周りの道路も激しく損傷しました。
とてもお店に人を呼べる状況ではないと、やむを得ず店を閉めたのだそうです。

一方、海沿いにあった自宅はすべて津波に流されてしまいました。
仕方なく、震災後しばらくは傾いてしまったお店で家族6人が暮らしていました。

先が読めず、新しい場所に店舗を構える気持ちにもなれずにいた昨年の夏ごろ。
仮設店舗に入っているガス屋さんから
『今度出来る仮設店舗で、出店を募集しているよ。やらないのかい?』
と言われました。
それまで全くその情報を知らなかった渡辺さん。
「これは復興への第一歩、チャンス」と思い、申請しました。

そして、ようやく審査に通って出店が決まったのは、12月ごろのこと。
早速、開店準備に取り掛かりました。
以前の店は津波に遭っていないため、大部分の什器や調理器具は使えたため
それらをすべて仮設店舗へ持ち込み、今年の2月に再スタートしました。


普段は渡辺さんと2人のお子さん、お父さんお母さんで営業し、奥さんの真希子さんは他にお仕事がありますが、空いている時は手伝いに出てきて、家族みんなで助け合いながら切り盛りしています。
息子の詩音くんは昼間はこの『金ちゃん』で働きながら、定時制高校に通っているそうです。

お父さんの勲さんは、いったん津波に流されたものの、なんと自力で泳ぎ帰って、自宅の屋根にしがみついていたところを救助されました。すごい生命力を感じます。

幸いご主人の家は家族全員が無事でした。
その家族みんなが力を合わせて生活を再建しています。
つらく大変な時こそ家族でがんばる。家族がいたからがんばることができた。家族の結びつき•連帯感を強く実感させられた取材でした。

『金ちゃん』頑張ってくださいね。
仮設店舗で先はまだまだ不安でしょうが、家族全員が一丸となっているので絶対に大丈夫です。応援しています。

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今回の震災は2度と起きてほしくない災害でしたが、
家族のありがたさ、人々の温かい気持ちを私のみならず、みんなが感じたことでしょう。
人々に優しくされた気持ちは絶対忘れられません。

震災によって大切な人を失ってしまった人。
自分の大事な物が沢山詰まった家が流されてしまった人。
災害は予告なく起きて、私たちから一瞬にして大事なものを奪っていきます。
残された人は無力感に陥り、決して悲しみは癒えないでしょう。
しかし、周りには必ず手を差し伸べてくれる人がいます。

今回も多くのことを学び教えられました。



一家総出で『金ちゃん』を支えています。
娘さんの天音さん。お父さんの勲さん。ご主人の佳仁さん
お母さんのマスさん。他にいつもは息子の詩音くんがお店を手伝ってくれています。







ごちそうさまでした。たいへん美味しかったです。

(取材日 平成24年7月8日)