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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年6月13日水曜日

2012年6月13日水曜日19:18

new-Tです。

仮設住宅の暮らしは過酷です。
昨年冬に取材した山元町の仮設住宅にお住まいの方は寒さと結露に困っていました。
急激な気象変動による大雨で床下浸水し、避難を余儀なくされた県北の仮設住宅もありました。
避難先からまた違う場所へ避難しなければならないというやるせなさは、いかばかりでしょうか。

住民の方々は、
元の場所へ戻れるのか。
あるいは新天地に移ることになるのか。
新天地に移転したとして仕事があるのだろうか?
家族一緒に暮らせるのだろうか?

そんな不安を抱えながら仮設住宅での生活が日常になりつつあります。
震災直後の非日常が日常に戻るというのは喜ぶべき事かも知れませんが、仮設住宅はあくまで仮設です。
つまり住民の方々の心も仮設なのです。
わたしたちはこのことを前提にして、これからの事とを考えなければなりません。
早い次の一手が必要だと思います。

6月11日。
仙台市若林区卸町五丁目公園仮設住宅に、仙台のタウン情報誌「S-style」と「Kappo」の2誌が読者の賛助によって提供されることになり、その贈呈式が行なわれました。

左が町内会長の松木さん、右が(株)プレスアートの専務、今野勝彦さん

せんだいタウン情報「S-style」は発行部数60000部の月刊誌、大人のためのプレミアムマガジン「Kappo」は発行部数25000部の隔月刊誌で、仙台を代表するタウン誌です。
仙台で開催されるイベント情報や街のトピックスはこの2冊があればほとんどカバーできます。

今回の贈呈は仮設住宅地での住民同士のコミュニケーションや交流の一助になればという発行元・プレスアートの思いの現れです。

贈呈式が終わって、卸町五丁目公園町内会会長の松木ひろみさんにお話しを伺いました。



ここは95棟80世帯160人が入居する中規模仮設です。
仙台市内各所、福島、山元町などから入居しています。
どちらかというと津波被害より地震被害で自宅が全壊した方々が多いようです。

松木さんは仙台市若林区荒浜から避難しています。
昨年11月に自治会長に就任。
「最初は町内会に入る人もほとんどいなくてね、寂しかったですよ」
「夜は外灯もないし、暗くてね、わたしでさえ孤独死しそうだった」
「役所から個人情報を出してもらえなくて、この仮設に入居している人たちの名前もわからないのね。最初は一人一人名前を聞くところから始まったの」

それでも次第に町内会に入る人が増えて、現在では集会所を利用して毎日、毎週なにがしかの行事を開催するところまでこぎつけました。

「一人暮らしの中高年の男性が引きこもっちゃって行事に出てこないのが心配です」

確かにどこの仮設住宅でも一人暮らしの男性の問題がクローズアップされます。
何か打つ手だてはないものかと町内会では「クラブ活動」を開始しました。
「畑クラブ」「カラオケクラブ」「英会話クラブ」「手作り手芸クラブ」等々。
「畑クラブ」には男性も参加しています。

手作り手芸クラブの品々
巾着700円 ティシュケース550円
問い合わせがあれば販売もしてくれるそうです。














手作りクラブ部長の斎藤志津子さん
販売などのお問い合わせは、
090-4883-0548
手に持つ枕は1000円。
中身のもみ殻は、支援をしてくれている山形県新庄市の人たちからお米とともに提供されました。

畑クラブの方々。
栽培しているのはナス、キュウリ、トマト、サンチュ、ピーマン、枝豆など。
地産地消です。

















この夏にはすずめ踊り協賛会とも提携して仮設夏祭りを計画中です。

「引きこもってる人たちを無理矢理出すこともないんだけど、心配だからね」

この日は梅雨の晴れ間の爽快な天候で、会う方会う方皆さん、お天気に負けないくらいの晴れやかな表情でした。

人間は強い。
強いというよりしなやかである、と言った方がいいかもしれません。
過酷な状況の中でもしっかりと立っている方々がいることを忘れてはなりません。
そんな思いがした半年ぶりの仮設住宅の取材でした。

改めて。「あすと長町」や山元町の仮設住宅へ取材に伺いたいと思います。

「S-style」「Kappo」両誌は今後若林区内各仮設住宅、宮城野区内、近郊、沿岸部と徐々に贈呈を増やしていくようです。
これから1年間の提供ということですが、来年の今頃には復興の足音はどのくらい大きくなっているでしょう。


(取材日 平成24年6月11日)