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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年5月20日日曜日

2012年5月20日日曜日13:29
燃えるようなケヤキの緑が蒼天の空を仰ぐ。5月19、20日の両日、第28回仙台・青葉まつりが2年ぶりに開催された。
来場者数は過去最大の95万人。すれ違う人々の聞きなれない方言が耳を撫でる。
「すごいなー。去年は六魂祭に来たけど、またこの祭りはえらく違うわなー」
政宗に関する祭りは雨が多いというジンクスを振り払い、見事な快晴を用意してくれたこの空に、思わず私は手を合わせた。
2年ぶりに聞く祭囃子の音色。去年、自粛を余技なくされたこの祭りが、いよいよ再開されるのだ。

絢爛豪華な時代行列

伊達政宗没後、350年に当たる1985年(昭和60年)仙台・青葉まつりは始まった。
仙台七夕が静的な祭りであるならば、この祭りは圧倒的躍動感をもった動的な祭り。
燃えるような緑が一番美しい季節に行われる祭りから、青葉まつりと名づけられたのかと思いきや、その由来は江戸時代に遡る。

艶やかなすずめ踊り


仙台東照宮の祭礼とされていた仙台藩最大の祭り「仙台祭」が明治維新の影響で変容し、1887年以降は招魂祭として、天長節奉祝招魂祭青葉祭(青葉神社例祭)に生まれ変わった。
絢爛豪華な時代絵巻、運行する迫力ある山鉾は計11台。そのすべてが、地元企業や団体によって運行されている。
「この日はな、政宗公が仙台中の商工産業を応援してくれるのさ。商人たちを繁盛させる神さんが降りてくるんだな。だから、この日は、家に閉じこもってなんていないで、みんなでお出迎えしないとな」
津波被害を受けた知り合いの塩竈在住の大工職人は、そう言って空を見上げて笑った。


阿部蒲鉾の大鯛山鉾


三陸の海の幸を仙台にもたらす船と、塩竃神社の海渡りに使われた御神船をモチーフに使われた護神船山鉾。ダイナミックな大太鼓が体中に響く七福大太鼓山鉾。大漁網を思わせる絵馬が、愉快な音を鳴らしながら運行する大鯛山鉾。毎年見ていたその企業名が、今年はまったく違うものに見える。
仙台水産と書かれた山鉾の大漁網にかかる絵馬を見て、幾度となくよぎった「初水揚げ」「初入港」という水産業復興関連ニュース。かつて仙台の城下町に時刻を告げたという七十七銀行の大太鼓の音色一つ一つに、伊達の気概を感じる。

三陸の海に幸を仙台にもたらす船に七福神を乗せた御神船山鉾(仙台水産)

400年前の慶長三陸地震に際し、伊達政宗公は先般の災害規模とは大きく相違するものの、多大な津波被害を蒙りながらも、物怖じすることなく不屈の精神で2年後に慶長遣欧使節を実現させている。
政宗公は、天上から燃えるケヤキの緑の下で、復活の狼煙をあげる県民たちの姿を見て何を思うだろう。
周囲で踊り跳ねるすずめ踊りたちの群集を見て、私は涙をこらえることができなかった。
振り返れば、同じように目にハンカチを当てている観衆を幾人も見かけた。

観衆に笑顔で手を振られる奥山仙台市長 

復興の半ばにも満たぬ途上で、宮城は瓦礫の広域処理をはじめ、ざまざまな問題が山積みされたままだ。それでも「時」は時間をかけながらも、こうして街の「彩」を復活させ、観衆の心に「日常」という希望を灯す。


(取材日 平成24年5月20日)