header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年5月18日金曜日

2012年5月18日金曜日5:51
kaiiのふるさとは気仙沼。 風光明媚でお魚のおいしい、活気のある町でした。
そうです・・・あの日までは
 そんな気仙沼がどうしたら元気になるかな?
そんなことを毎日考えています。 
いつも遊んでいた場所も
 いつも歩いていた道も
 津波に流されました。

あと数分遅かったらkaiiの命もなかった。

そんな現実を見つめていると
「いつまたこんなことがどこで起こるかわからないんだよな~」の思いと
kaiiの命題「生きること」は同じことなんだとの思いが重なりました。 

気仙沼の元気・女性たちの笑顔にもう一度会いたいな~
 働く場所をなんとか作る方法はないかな?
 お母さんたちが笑顔になって 子どもたちが健やかに育まれる地域になればな~

 そんなことばかりを考えます。

 みんなが生きやすいこととは何かな?
 「被災地」という言葉にも疲れました。

 ここは私たちのふるさと。
ふるさとを元気にしたいと願う気持ちと、
 昨年の秋ごろからよく耳にした
 「毎日何をして暮らそうかと考えるんだよね」という言葉。
 その言葉を、その思いを、
どうしたら社会に・・・

 私たちはあの日・・・したくもなかった経験をしました。
その経験を伝えることが仕事になれば、
その経験が「命」を守れる言葉になれば・・・

そうした思いを共有する女性の仲間たちで、
関西にお住いの、あるご家族を被災地までご案内しました。





















このご家族は、私たちが気仙沼の実情を各地で報告行脚した際に知り合った方で、
かねてから「ぜひ、この眼で現地の姿を見たい」と強くご希望されていたのです。

日程は 4月29日から2泊3日。
気仙沼はもちろん、石巻や南三陸、さらに岩手県まで足を延ばしてご案内しました。

 コンセプトは、
「自分の命を守ること自分の力で生き抜くことを考える」
そして
「被災地の女性に仕事を」

このツアーを企画するに当たっては、私たちはできる限りのリスクマネージメントをしました。

<お客様の 「命」を守るために私たちがしたこと>
・お客様の安全のために移動はすべてタクシーを利用しました。
・タクシーには水と保存食・タオルと懐中電灯を載せました。
・仙台空港までお迎えして、帰りも空港までお送りしました。
・空港から気仙沼までの道のりにも安全なルートを選び、危険の回避に努めました。
・逃げ道の確保・逃げる場所・食糧・水・応急処置への対応・光の確保・連絡用のバッテリーまでを考えました。

 命を考える旅の企画だからこそ、これらの対応は必要でした。

1日目
仙台空港着→東部道路(被災地域の防災を意識した環境の提供)→石巻(昼食:気仙沼で修行した親方の握るお鮨(グルメ:鯨の刺身・鯨のベーコン)) →市内(石ノ森萬画館付近など)→大川小学校→十三浜→南三陸町戸倉→南三陸町志津川町内(志津川病院・防災庁舎) →同歌津町内(消防署・うたちゃん橋付近・仮設商店街など(川を遡上した津波と水の力の強さと速さを津波の痕跡から考える・命を守るとは?)→気仙沼

2日目
 ホテル(参考書物の提供:震災前の気仙沼・震災直後の気仙沼の写真集)現状に至るまでのプロセスを知ってもらう→大島(海上から津波を感じる・考える) →気仙沼鹿折付近(大型座礁船付近・老人健康施設付近・がれき置き場)(惨状を知る・生きると死ぬの境) →岩手県陸前高田市(一本松・市民の森・市内)→宮城県気仙沼市唐桑海岸線地域(小鯖・鮪立港)→昼食:唐桑の地域の料理を味わう(モウカサメの心臓) →津波体験館(津波体験・津波遡上の模型での津波を知る)→市内へ→岩井崎(龍の松・化石ウミユリの見学)→ホテル

3日目
ホテル→平泉・中尊寺、毛越寺(藤原文化を知る)→昼食(わんこそば体験)→仙台空港
















初めの2日間は、「命」について考える環境を提供しながら地元のグルメを堪能していただきました。
最後の3日目は、被災地という環境の重さから放たれ現実社会の平和を感じることで改めて被災を考えていただきました。















「食べる・感じる・考える」とテーマとしたツアーはどうあるべきか。
それをテストできました。 

「地元の言葉が語る被災」
「地元を元気にするための試み」
「地元を思うからこそ大切にできること」
「命の尊さ」

命を命がけで産み育てる女性たちならではの感性が考えた、初めてのテストツアーでした。 

ご参加いただいた高校生16歳の男性からは
「どん底から立ち上がること、家族に感謝すること、これから自分を守ることを考えられた」
という感想をいただきました。
 お父さん(55歳)からは、
「自分がこんなことにあったらどうして家族を守るかを考えました。
帰ってからすぐに今後を考えます」
との言葉をいただきました。

こうして、お料理のおいしさ、そして命の尊さ・自分の命について 企画したツアーは無事に終了しました。

 1日目の夜に震度3の地震が起こったこともあり、
あらためて「自分の安全とは何か」を考えていただけたようです。 


「好きで来るんだから」、そんな受け入れ方ではなく

 「宮城への旅は心の込められたもてなしのあるものだった」

と感じていただけるような内容を、県内の市町村が連携して考え
「また行きたい」宮城県と感じていただける環境を構築していくことが
継続的な 観光の復興に繋がっていくと思います。

採算ということを考えていないと思われる方もおいでだと思います 。
安全をお金で買っていただきました。
私たちの真心を第1号になっていただいたお礼にさせていただきました。 

「生きること」を命題にして笑顔のために考えているから
命を守ることを考えるツアーができたと思っています。

 (取材日 平成24年4月29日~5月1日)