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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年3月5日月曜日

2012年3月5日月曜日13:00
こんにちは、石巻よりアオキです。
本日は、石巻市開成団地仮設住宅で生活する、髙橋英子さんにお話をお伺いしてきました。
髙橋さんは仮設住宅に住む皆さんの集まれる場所『たんぽぽの会』を運営しています。

『たんぽぽの会』で作られた小物たちです。
震災当時、髙橋さんは石巻市大門町に自宅がありました。
息子さんと水産加工業を営み、地域の皆さんからは元気で有名なお母さんでした。

昨年3月11日、その日仕事は定休日で、髙橋さんは石巻から仙石線で約20分ほどの野蒜の病院へ向かい、帰宅中の電車の中で地震に見舞われました。
身動きがとれず、電車の中で一晩を明かし、鳴瀬会館で更に一晩過ごし、石巻へ戻ってこれたのは震災から3日目のことでした。
心ある地域住民の方々の協力もあり、石巻市鹿又に住む息子さんを訪ることができ、やっとの思いで家族と再会できました。
しかしその頃、石巻市大門町の自宅のある地域は壊滅的な被害を受け、立ち入ることすらできない、規制線が張られていました。

水が引いた頃、大門町の自宅に戻ることができた髙橋さんが見たものは、変わり果てた街の風景でした。
大切に保管していた思い出の品は水に浸かり、流されて流失してしまったものもありました。
それでも、「もし助かっているものがあるのならば持ち帰りたい」と、鹿又と大門町を通う日々が続きました。

鹿又の息子さんの自宅で生活をしていた髙橋さんが、この開成団地仮設住宅で生活を始めたのは、6月8日のことでした。

仮設住宅での一人暮らし、周りはほぼ見ず知らずの方々でした。
“ここで生活する上で、人と人との交流を持ちたい。 お茶を飲みながら、皆と話せる集まる場所がほしい”
髙橋さんが兼ねてから興味のあった“ものづくり”に手を動かしながら、お茶っこしたり、お話したりする場所があったら良い…そう思っていました。

あるとき、仮設住宅へ“パラソル喫茶”(お茶のみ会)が開かれることになりました。
そこで髙橋さんは、「布を使ってものづくりをやりたい人、ここに名前を書いて」と、集会の希望者を募りました。
すると、10名ほどの方が名前を書いてくださったのです。
「言い出したからにはやろう!!」
と、髙橋さんが中心となり、昨年10月『たんぽぽの会』が発足されました。

『たんぽぽの会』では、巾着などの小物類やお正月飾りなど作りながら、お茶をのみ、お話したり、交流の場となっています。新年会などの行事も行われました。

お部屋飾りです。

ふくさです。
「家の中でもんもんと一人で過ごしているのではなく、人が集まって何かやってみたらいいのではと思ったことがきっかけですが、たった一言の呼びかけでこうして人が集まり、たんぽぽの会という形になりました。 楽しく過ごしています。 何事にも可能性というものは十分にあるものなんだと感じました」
と、たった一言の呼びかけで、今まで知らなかった新しい世界を見れたと髙橋さん。
ものづくりの新しいアイディアもどんどん浮かんできます。

『たんぽぽの会』運営にあたり、ミシンを提供してくださる方や、お茶のみのセットを提供してくださる方もいらっしゃいました。布や材料を集めるのを手伝ってくださる方もいらっしゃいました。ここまで協力してくださった方々と、こうして会に集まり参加して下さった皆さんに、感謝の気持ちでいると話してくださいました。

「これからは、皆さんへの感謝の気持ちを、ものづくりで表していきたいと思います。 私たちにできることで、手を動かしていたいと思うのです」
と、髙橋さん。
小物作りをしていくうちに、ハンドメイドの魅力を生かし、感謝の気持ちも込めたものを作っていきたいと思うようになりました。
“この世に一つしかない、温かみのあるハンドメイド小物を、自分たちだけでなく皆さんにも届けたい”
と、今後もしも可能なら、ハンドメイドの小物の商品作りにも励みたいと話してくださいました。

そして髙橋さんは
「なにより、たんぽぽの会を明るく楽しく運営していきたいです」と、笑顔でおっしゃいました。

“楽しく前進したいわ”と、髙橋英子さん。

『たんぽぽの会』
冬の寒空の下、たんぽぽは地中深く約2メートルもの根を伸ばし、春を迎える準備をします。
震災を経て、すっかり変わってしまった生活環境ですが、草の根のように、強く、そして明るく生きていきたいという、髙橋さんの想いが込められていました。


これからも、明るく元気に『たんぽぽの会』は前進していきます。

手先が器用な髙橋さん。絵も得意です。

“負げねでいだがら春が来た”

(平成24年3月5日)