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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月15日水曜日

2012年2月15日水曜日14:35
new-Tです。
大崎地方2本目は日本酒の蔵元さんです。
銘酒「宮寒梅」をつくる寒梅酒造さんを訪ねました。

この蔵は、震災後のニュースなどで取り上げられ、気になっていました。
復興の先頭に立っている若夫婦にも興味を持ちました。

まず、酒好きのわたしにとっては願ってもない酒蔵取材なわけです。
取材は道路を間違えてまったく違う所へ行く羽目になるところから開始。
347号線を西に向かわなければならないのに47号線を西にひた走り、新庄に向かっていました。
もちろん新庄までは行きませんよ。
手前の岩出山に入ったあたりで、こりゃ違うなと、道路を聞き、引き返しました。
PCでGoogle地図をプリントアウトして持ってきたんですが、347号線の3が切れていたんですね。

なんとか347号線に出る道すがらの雪景色と軽い地吹雪。
仙台ではお目にかからない風景です。

やっと寒梅酒造に入る川沿いの細い道に到着。
ところが、ここからも苦難の雪中行軍は続きます。
なんと、入ってすぐの所にある寒梅さんを大きくオーバーラン。
後で聞いた話ですが、寒梅酒造の看板は地震で倒れ現在はそれが無かったんです。
電話をして戻り返し、やっと大きな酒を造るタンクを発見。
ようやく辿り着きました。

「すいませーん、こんな遠いところまで」と、岩崎真奈さん(27歳)が出てきてくれました。
「いやいや死ぬところでした」なんてこっちが冗談を飛ばせるほど陽気な方です。




岩崎真奈さんは寒梅酒造の跡継ぎの娘さん、旦那さんは婿養子ということになります。
寒梅酒造の前身、岩崎酒造は大正7年(1918年)。
のちの戦争で酒造りを一時中断しますが、昭和31年(1956年)に復興再開。合名会社寒梅酒造となりました。

真奈さんは東北福祉大学で心理学を専攻していました。
そして、大学4年生の時に寒梅酒造に入社、今年で5年目です。
「実家が蔵元という環境ですからお酒は好きだったんですか?」
「いいえ、まったくお酒は飲めなかったし、興味がありませんでした」
「じゃあなんでこの世界に?」
「ものづくりに興味があったのと、家業が大変だった時期にも重なったんですね」
「いまお酒は?」
「大好きです。ビールは飲めないですけど」
すっかり日本酒の魅力にはまってしまったようです。
わたしはお酒を呑むのは好きですが、お酒作業工程がよくわかりません。
お酒を造る人みんな杜氏だとばっかり思っていたんですが、真奈さんは酒母という職域、お酒の香りの部分を担当しています。
「宮寒梅」の華やかな香りは真奈さんの作というわけです。

寒梅酒造は米の栽培から出荷まですべて自社で行っています。
酒蔵の前の田んぼで「美山錦」「愛国」「ひより」を栽培し、酒を仕込みます。
これすべて一家総出、親戚の方々も手伝いにやってくるとか。
製造・出荷は6名、これが本当の家内制手工業かもしれません。

3月11日び、酒蔵は全壊。
ちょうど新酒の瓶詰め作業や殺菌処理などをしていましたが、もろみのタンク2.5トン、瓶詰めが終わった新酒4000本が割れました。
それでも幸いなことに、お酒の元、こうじを作る室は被害を受けませんでした。
早速蔵の建て直しを決意。
8月10日に工事開始、12月4日に修復完了、12月7日仕込み開始!!
これも家内制手工業の勝利でしょうか。







「家族だけでなく地域の人たちとの絆、人の思いに助けられました」
「出来ないことはないんです」
先代から酒造りを自由にやらせてもらって3年目、未だ修行を続けながらの真奈さんご夫婦。
「お酒は生き物ですから日々違うおもむきがあります。愛情かければかけるほど美味いお酒になるんですね」
お米の美味しい大崎地区には沢山の酒蔵があり、どこも個性的な味でわたしたち楽しませてくれます。
「宮寒梅」の味を握るお酒の母はまだまだこれから可能性を秘める元気な女性でした。


古川の地酒屋さんから早速「宮寒梅」の純米吟醸酒を買ってきましていただきました。香り豊かフルーティな華やぎのお酒ですね。あっという間に飲み干してしまいましたよ



合名会社寒梅酒造
〒989-6216 大崎市古川柏崎字境田15
TEL. 0229-26-2037
http://homepage3.nifty.com/miyakanbai/

(平成24年2月15日)