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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月6日月曜日

2012年2月6日月曜日20:26
kaiiと末吉、今日は夕食の買い出しです。


気仙沼市階上で営業していた有限会社「やまひろ」さん。
多くの魚介類と魚介類を使ったお惣菜のお店でした。
大きなアナゴのてんぷらを食べたくなると思い出す鮮魚店。
「どうしても、大きなアナゴのてんぷらに会いたい」
昨年11月に開店した「さかなの駅」の中にある「やまひろ」へ
おいしいお惣菜を探しへ出掛けました。















まず、目に飛び込んできたのは、大きな「鱈」。白子がお腹を膨らませています。
「白子をてんぷらにして食べようかな~鱈のお鍋がいいかな~
わぁ~メカジキの切り身~なんでこんなに安いの?」

本来のお惣菜のアナゴの天ぷら探しを忘れて並んでいる
おいしそうな魚に、お料理したいモード。
カルパッチョ・ちらし寿司・焼き魚・煮物・フライ・刺身・・・

そんな私たちに気さくにお声をかけてくれたのが
「やまひろの看板娘」佐藤美和さん。

美和さんに今のお店のことを聞いて驚いたのが・・・
震災後、お客さんのニーズが変化したことでした。
「気仙沼のお客さんは、震災前は「丸物」の購入が多かったのですが、
仮設住宅のキッチンでは「丸物」を捌くことが難しいこともあり切り身のニーズが増えました。
また、お惣菜のニーズも増えました。可能な限りお客さんの要望に応えています」

※「丸物」=頭から尾までついたもの


その言葉に・・・自分自身の生活を振り返ってみると、確かに「切り身」が増えたことに気が付きました。

市場向かいの私たちの地域には漁師さんがいっぱいいたこともあり、
「魚」イコール「丸物」。

鰹も尾長鮪も、カレイも、アイナメも、鮭もイカもみんな丸物でした。

貝類も殻がついているのが普通。ホヤも殻つき。

ワカメや昆布は生の茶色がフツウでした。

美和さんと話しながら、
震災前のフツウは震災後フツウでなくなっていることに気が付きました。
ワカメが茹でて売られています。





















鱈も捌かれて、そのまま鍋に入れるだけの姿になっています。














鮮魚のスペースの隣には、温めるだけですぐに食べられるような惣菜と、
色とりどりの魚介が載せられた寿司類が並べられています。



























簡単な物を選び、手間を惜しむようになったのか?
手間は惜しくないけれど環境の問題なのか?
気仙沼の魚の文化が変化したような気がして少しさびしくもありました。

根魚の入荷は震災後激減し、「下り(外から仕入れた魚)」が増えたそうです。

「気仙沼の根魚はどこへ行ったのでしょうね?」
美和さんと話しました。
「帰ってきてほしいですよね~」
気仙沼の市民の願いでしょうか?

津波が海を変えたのか?
漁師が激減しているのか?
環境が整っていないのか?

気仙沼の近海・沿岸漁業が心配にもなりました。

※「根魚」=沿岸で取れる魚(カレイ・鮭・アイナメ・チカ・スズキ・エゾアイナメ・などなど)


「魚食文化のまち気仙沼」。
この町の食文化も、漁の回復と生活の回復に足並みをそろえて回復してほしいと思います。

惣菜の棚の後ろには、乾燥された海藻などが並んでいます。
これから、海は春漁。

フノリ・マツモ・ワカメ・昆布・岩ノリなどの海藻が採れる時期です。
岩を掻く海の女性たちの姿は、今年は見られるでしょうか?

気仙沼のふかひれスープなども並べられた店先で美和さんと話しながら、
「人に会えるからお商売を再開した」と話してくれる多くの人たちの思いが
少しだけ理解できたように思います。

色とりどりのお寿司。
奥さんの心がこもったお惣菜。

「どんなに魚の形のニーズが変化しても気仙沼は“魚”の町なんだ」
そう思いながら、買い物をする人たちを眺めました。

顧客情報も何もかも失くした多くの店舗さんたちは、
新規開拓をしていくことの大変さもあり、
なかなか自分たちのお店の今を伝える術がないことを知りました。

美和さんの「感謝」の言葉には、優しさと強さがありました。















「みなさん、おいしいお魚を食べにだいん~!
魚の食べ方は気仙沼のお店で聞いてけらいん」

そんな願いのkaiiと末吉でした。

(平成24年2月6日)