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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月17日金曜日

2012年2月17日金曜日10:00
こんにちは、石巻よりアオキです。

本日は「ボランティア支援ベース絆」内に拠点を置き活動している「日本カーシェアリング協会」の代表理事、吉澤武彦さんにお話をお伺いしてきました。

「日本カーシェアリング協会」は、車を提供してくださる方を募り、その車を必要としている方々へ提供する、繋ぎの役割をされています。
カーシェアリングを通して被災地支援を行いながら、新しい車文化を目指す非営利の活動です。



拠点の「ボランティア支援ベース絆」は石巻市住吉にあります。


この黄色い扉の向こうが「日本カーシェアリング協会」の作業デスクがありました!


これまで提供された車の記録がありました。

吉澤さんは、神戸の医療関係機関の事務局スタッフを務めていらっしゃる傍ら、石巻でカーシェアリングの活動を行なっています。

吉澤さんの支援活動は、昨年の震災を機に、福島の子供たちを関西に避難させるなどのボランティア活動を行っていたことから始まりました。
石巻へ始めていらしたのは3月末、現状把握のため石巻入りしたことがきっかけでした。

その頃、かつて阪神淡路大震災の支援活動を行った経験のある方から
「神戸の仮設住宅は市街地から離れた所にあり、不便な思いをしていた方々がたくさんいらっしゃっいました。 その経験から、石巻でも車が必要になると思います」
と、提案があり、そこからカーシェアリングの活動が生まれました。

4月中旬、「日本カーシェアリング協会」は発足しました。

車の提供は石巻市の渡波地区を中心に広まり、希望を出した仮設住宅や家庭に提供されています。
これまでに提供された車は約30台。
1台の車につき1年間の保険を付けた上で、準備が整った車の中から希望の車が提供されます。
ガソリン代などの諸費用さえ利用者間で管理を行えば、もちろん廃車になるまで使っていただけます。

石巻での活動を通して、吉澤さんはあることに気付きました。
それは、“石巻人の心の優しさ”です。

「自分自身は車を所有しているのだけれど、“近隣の人たちが車がなくて困っている人が多いから希望します”というように、自分以外の周りの人のことを考えて希望される方が多いです。 津波で九死に一生を得た方々が、生かされた命を人のために使いたいと思われる方が多くいらっしゃいます」
と、人を思い合う声が印象的だと吉澤さん。
そんな温かい気持ちを「車」という形で表現することに喜びを感じています。
提供された車の中には、ご近所同士で高齢の方の通院や買い物の「送迎車」として使用されているものもあるそうです。

今後、吉澤さんが作り上げたいもの。
それは、“石巻発のオリジナルなカーシェアリング”です。

「コミュニティごとに地域のニーズに合わせた車の使われ方をしてほしいです。 “皆の車”として使われることで、使い方や管理の仕方に、自然に人と人との助け合いが生まれてくるものだと思うのです。 “車を買う”という選択肢の他に、“誰かと共同で使う”という考えを、新しい車の使い道の選択肢の一つとして、石巻から発信していけたらと思います」
各コミュニティの中に溶け込んだ、“人が関わる公の車の使い方”を発信していきたいと考えています。

また、車を誰かと共有して使用することにより、新たな人と人との繋がりや、思いやりの気持ちが自然と生まれる、一つのきっかけとして車が使用されることへも期待しています。

カーシェアリングの活動は、ただ車を提供して終わるだけではありません。
これまでに提供した方々との、その後も交流もあるそうです。
実際、「送迎の運転講習会」などが行われています。
ご高齢者の方を送迎する際の運転の仕方や乗り降りの仕方、ポイントなどの学びの場も提供して、よりレベルの高い車の使用方法も生まれています。

今後、「日本カーシェアリング協会」は、実際に提供を受けて現に利用している方々を中心に運営する形にしていくそうです。
利用者からケアする側へと、活動の内容を石巻の地元の人の手で行っていき、そこへ自分たちが寄り添う形で支えるのが自然な形だと吉澤さんは考えています。



「ぜひ、気軽に車を共同で使ってみてください」
と、吉澤さん。
カーシェアリングを経験してほしい、そして“共同で使う車”という、車の新しい使い方を選択肢の一つとして考えてほしいと話してくださいました。

石巻を日本全国に発信するカーシェアリングのモデル都市にできたらと思います。 将来、車を共同で使えるような社会を後世に残していく、その種が石巻から芽生え始めたこと、これが自分なりの石巻への貢献の形です」

吉澤さんの働きは、石巻をカーシェアリングの“モデル都市”として築き上げる、きっかけの種となりました。この種を無駄にしないためにも、これからの新しいカーシェアリングは、石巻人に懸かっているのかもしれません。

「日本カーシェアリング協会」は今後、大瓜団地の仮設住宅の集会場を新たな拠点にし、中心市街地から離れた場所にある仮設住宅へのコミュニティー作りにも励みます。

共同して使用するという「文化度」の高い、より温かみのあるカーシェアリングを目指し、今後も活動していきます。

日本カーシェアリング協会
http://www.japan-csa.org/

(平成24年2月17日)