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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月27日月曜日

2012年2月27日月曜日16:52
日常生活で意識することはありませんが、私たちはさまざまなメディアに接しながら生活しています。
テレビ・ラジオ・雑誌・新聞・ウェブなど、各々特徴があります。
特に、震災の際にあらためて重要な存在と気付かされたメディアがあります。

「ラジオ」です。
あの時は、ラジオからの情報が唯一「事実」を伝えるメディアで、助けられた記憶があります。
今回取材で伺うのは、山元町にある『山元町災害臨時FM放送局 りんごラジオ』です。

挨拶遅れました、ホイ・コーロー先生です。

仙台から亘理町まで常磐線。そこから代行バスで初めて山元町役場に来たのですが、役場の建物は危険な状態の為、隣に仮設庁舎を建て、そちらで行政サービスを行っているようです。
仮設庁舎の奥にプレハブの建物があり、そこが「りんごラジオ」のスタジオです。




リンゴの木を思わせる木彫りの看板が目印です


部屋の中にもりんごが描かれた大きな看板が

代表の高橋厚さんは元東北放送アナウンサーで、りんごラジオにはボランティアで携わっており、企画や運営の約9割を指揮しています。
早速お話を伺いました。
「一番の大きな柱は、情報の伝達。月~金は8時~18時。土日は10時~17時。毎日、毎時間放送しています。その中で9時~、12時~、17時~の30分に、山元町の情報をまとめて放送しています」

主な内容

  • 「今日は震災から何日目か」
  • 合同追悼式の情報
  • 町内の放射線量数値
  • 人口の増減
  • 仮設の情報
  • イベント情報 など


「この間は、町議会の模様も放送しました。震災で選挙が遅れ、その後に自分たちが選んだ議員が、どういった将来像を議論し合うのかを放送できたことは良かったです。反響も大きかった」

堅い情報から柔らかい情報までをカバーし、生活情報だけではなく独自の企画も推し進めています。
「今年は、初日の出の中継をしたんですよ。山元町にはお陰さまで太陽が出てくれたんで良かった」

2012年
他の被災地域でも同じ想いかもしれないが「復興元年」。
初日の出にそれぞれの思いを馳せたのは、想像に難くないと思います。

お茶をいただきながら部屋の壁を見回してみると、数多くの著名な方がここを訪れています。
写真を見ている後ろから、「4月・5月・6月の3カ月くらいで、これだけ数多くの方が来てくれたのは、たぶんここだけじゃないかな」


著名な方のサインが並ぶ一角


訪れた人との写真が壁一面に並ぶ


被災地を応援するメッセージが所狭しに書かれた、寄せ書き

「他にも、子供たちが書いた詩に曲を付けて、それを女優の竹下景子さんが朗読する、語りと音楽という番組を放送しました。約1時間30分。評判が良かったので、3月11日の合同慰霊祭にも、その歌を合唱し捧げます」

りんごラジオは地域の皆さんにとても親しまれていると感じましたが、運営されているスタッフの皆さんも元々は被災者。自分の事だけでも大変な状況だったにも関わらず、情報を伝え続けたのは感慨深いものがあります。

「情報がなかった山元町の情報を伝えること。それが一番大事だった」と高橋さん。

今、一番町民が気になっているのはJR常磐線の再開。
「通勤、通学が今までの1.5倍ほど掛かっています。色々長引けば、その分人は離れていきますから、今が町の存亡危機。具体的な将来像を提示していくことが求められます」

実際に、震災前と震災後では、2,300人余り(亡くなられた方含め)減少。
山元町の存在のあり方にも関わり、おそらく他の市町村でも同様の事象があるのではないかと思います。

町の存亡もさることながら、りんごラジオ自体のこれからも気になるところではないでしょうか。
現在は、臨時災害FM局としての機能を来年3月まで行い、その後はコミュニティFM局へと移行する予定ですが、課題は山積み。
「人材、設備、資金などソフトとハードの面の他に、番組などの企画もこれから考えていく必要がある」と話していましたが、短時間で臨時災害FMを立ち上げ運用し、「りんごラジオ」は町民のみなさんの生活の一部になりつつあると私は感じたので、期待しています。

「りんごラジオは、町の情報源でありたい。スタッフのラジオではなく、町民のための、みんなのラジオにしていきたい」

被災した中で生まれた、数少ない産物がこの「りんごラジオ」だと力強く話す高橋さんの言葉からは、熱い気持ちを感じました。
そして今日も、高橋さん含めたスタッフの方々は、町民のためにマイクに向かって新たな一歩を踏み出すための言葉を話しています。


みなさんに書いていただいたメッセージはどれも個性的




山元町から世界へ。ありがとう


「りんごラジオ」 周波数80.7MHZ
宮城県亘理郡山元町浅生原字作田山32
TEL 0223-34-1417
FAX 0223-34-8011
URL http://ringo-radio.cocolog-nifty.com/

(平成24年2月27日)