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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月8日水曜日

2012年2月8日水曜日17:39
new-Tです。


震災から11カ月、やっと復興庁が設立されました。
はっきり言って遅いです。
東北は冬になってしまいました。
ニュースで流れるように仮設住宅は水道の凍結、結露などでひどいありさまです。
冬を越さなければならないとわかっていながら、何故こんな対応しかできなかったのか。今年の冬の寒さは想定外とでも言うんでしょうか。


今まで何度か仮設住宅には取材に伺いましたが、初めて住宅の中に入れていただきました。
山元町名川仮設行政連絡員をやっていらっしゃる岩佐徳義さん(77歳)です。


「夜は寒いよ」と、岩佐さん。
一人住まいの岩佐さんの部屋は4畳半くらいでしょうか?
押入があり、就寝するときにはこたつを立ててふとんを敷きます。


岩佐さんは山元町牛橋地区の自治会長ですが、今は津波の被害で住めなくなってしまったので、仮設住宅で過ごす方々をまとめています。


岩佐さんは今回の津波で九死に一生を得ました。
「中学校の卒業式に来賓で出席して家に帰ってすぐくらいに地震がきたんだよ。
早速地域の人たちに呼びかけてね、100名くらい避難させたかな。車を走らせてたらおじいさんがいたんで避難を呼びかけたら、おれは避難しなくていいんだ。って言うんだよね」


おじいさんは結局説得に乗らず、自宅に戻ったのでした。そうこうしているうちに津波が車の真っ正面から襲ってきました。
車は津波に押され、車体後部が塀に突き当たり前からの波のプレッシャーに押し上げられました。
「ああ、ここで死ぬのか。」と考えたそうです。


と、奇跡的なことが起こりました。
車が巨大な瓦礫の上に乗ったのです。
その瓦礫は高さが6メートルくらいあり、岩佐さんは車から瓦礫の上に降り立ち、津波の様子を見ることができました。
いわばフェリーです。
すごい体験です。


波も引いたので瓦礫から松の木を伝って地上に降りた岩佐さんは、説得したおじいさんの家に向かいます。
1階は浸水していましたが、おじいさんは2階で無事でした。
真っ暗な寒い家の中で岩佐さんとおじいさんは毛布を掛けあい、2晩を飲まず食わずで過ごし、3日目に自衛隊によって救助されました。


岩佐さんは即、役場に向かいます。
そこで初めて牛崎地区480世帯の内、家屋全壊が2分の1。亡くなった方が69名という惨状を知りました。


5月、名川仮設に牛崎地区170世帯と共に入居。
仮設の行政連絡員として苦労が始まります。


当初、食料や物資の供給がほとんど無かったそうです。
町は仮設住宅に入居している人々を自立していると判断したのか、相談しても改善策は出てきませんでした。
そこで岩佐さんは独自にNPOやお寺さんに連絡を取り始めます。
この時に支援の手を差しのべてくれたのが、129日のココロプレス「クールな現状分析」で紹介した「ともだちin名取」の若山陽子さんでした。


なんとかここまでしのいだ岩佐さん。
現在の仮設住宅の環境改善を求めています。
・外灯が不足しているので防犯上問題がある。
・駐車場が砂利なので高齢者の方々が歩きづらく、危険。
・最初にも書いたように寒さ対策。(これは現在進行中でした)


他にも町からの情報が流れてこないことや遅れていること。
無収入の高齢者の方々に義捐金がいつ頃出るのかの説明もないなど、不親切に感じているようです。


岩佐さんによれば山元町は人口流失順位は全国で10位、それに拍車をかけるような今回の震災。
岩佐さんはとにかく常磐線の復旧を急いでほしいと訴えます。
交通の便が悪いので買い物や通院、通学が大変。
このままでは、いったん町から避難した町民が戻らないだろうというのです。


憂えても前を向いて進まなければなりません。
名川仮設住宅では定期的に婦人部の団体主催でイベントが催されています。
集会所を使ったクッキングサービスや、子どもたちに集会所を開放して遊びの場を設けたりしています。



「いずれは仮設に入っている人たちと一緒に牛崎地区に帰りたいね」



行政サービスが滞っているということはどこの仮設住宅でも聞く話です。
もう震災後1年を迎えようとしているこの時期にまだ遅延しているというのはどういうことなんでしょう?


色んな問題山積なんでしょうが、希望の灯が消えかかっている人々がいることを再認識してほしいと思います。
そんなこと分かっているわい、と言われそうですが、だったら想像力を働かせて対応して下さい。


「ココロプレス」は震災から立ち上がろうとしている方々、その方々を支援する人々を紹介しています。
その前向きな気持や動きと行政が連動すればかなりのパワーアップが期待できます。
行政に携わる方々へのわたし個人のお願いです。


 (平成2428日)