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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月13日月曜日

2012年2月13日月曜日18:37

new-Tです。

ここ最近、山元町に連続で訪れています。
人の輪がつながると、こういうことになるわけです。

今回紹介する方は非常に精力的な活動をしている石川勝行さん(72歳)。
昨年、わたしたちの劇団が山元町で公演した際に大変お世話になった山元町文化協会の会長さんでもあり、田園空間博物館活動に取り組む「野外ぐるりん友の会」の会長でもあります。



ちょうど取材に伺った時も、活動の真っ最中。ひな祭りを目前に控えてほっき貝をひな人形にするという作業をやっていました。
皆さん、楽しそうに工夫を重ねながらやっているようでした。





山元町名産ほっき貝がひな人形になりました。
まず、文化協会のことから始めましょう。
山元町文化協会は結成35年、石川さんは3代目の会長です。
山元町の町民憲章には「文化の漂う町」と謳われており、文化協会は地域の文化活動を守っていく取り組みを行っています。

「坂元おけさ」「花釜甚句」や、お囃子、舞踊、詩吟、文芸、陶芸、能面づくりなど40団体600名の会員を擁する大組織です。

震災後の昨年11月23日には町民文化祭を開催、3,500名にも上る町民の方々が集いました。
津波被害で散り散りばらばらになったコミュニティがこの文化祭で一時復活したといいますから、町民の方々にとっては願ってもないイベントだったのでしょう。

「文化祭開会の挨拶の時に、犠牲者の方々に合掌しますと言ったところ、その言葉が新鮮だったようで皆さんから感動したと反響がありました」

石川さんは17年前の阪神・淡路大震災の時、ボランティア活動を行うため40日間出向しました。
その経験を生かすべく、震災後すぐに避難所となった中央公民館に常駐し、先頭に立って被災者支援に当たります。
自衛隊や警察、消防から被災者の安否情報を聞き出し、それを避難している方々へ伝えるという根気のいる仕事です。
石川さん自身奥さんを津波で亡くされていたのに、です。
自分のことより、他の困っている方々のために身を粉にする仕事は3月12日から8月10日まで続きました。

次は野外ぐるりん友の会のことです。
「やまもと・わたり田園空間博物館活動」というのは、平成10年に農林水産省が始めた事業です。
「大地から空まで、生き物が関わる自然環境が博物館である」というコンセプトで、山元町民が持っている技、例えば味噌作りであったり、漬け物つくり、干し柿つくり、縄ない、薪割りなど、過去から未来へつないでいかなければならない人間技を発掘、伝承していくというものです。

石川さんが会長を務める「野外ぐるりんの会」は田園空間博物館の山元・亘理地区での活動母体になっています。

会員は70名余り。
最初に紹介した、ほっき貝のひな人形作りも活動の一環です。
現在は震災の影響で活動は休止状態ですが、早い時期に再開予定です。


皆さん明るい方々です。
「行政では出来ないことをやろう」
というのが石川さんのモットーです。
とにかく、その多岐に渡る活動は若者級の胆力がないとできないと思いました。
考え方が柔軟だし、フットワークも軽い。
笑顔、ユーモア、行動力すべてに於いてリーダーの貫禄です。


これからの山元町の在り方についてはさまざまな意見集約が行われている最中で、正反対の意見があることも確かです。

常磐線をどうするか?
海沿いを走る震災前の路線で早く復旧をと願う人もいます。
石川さんは、将来発生するかもしれない津波に備えて内陸部へ持ってくるべきだと唱えます。


本来は内陸を走らせるはずだった常磐線は、今回の津波で壊滅しました。その教訓を忘れ再び海沿いに路線を持っていくという考えには納得できません。

山元町の震災復興検討委員でもある石川さんの将来像、
「15,000人くらいのミニタウンになるのがいいですね」

石川さんは北海道のご出身。
わたしの知人にも何人か北海道出身の方がいますが、広い空と大地を背景としたおおらかな気質を持っていて、それを自らも認めています。
石川さん、大きな視野でこれからの山元町の行く末を見据えてくださるんじゃないでしょうか。

うちの劇団、また今年も参上したいと思っています。
その節はまたよろしくお願いいたします。


校正をお願いして返信が来ました。
「過去を振り返らず、地域の方々にお力添えができるよう活動を続けて行きたいと思います」という言葉が添えられていました。



山元町文化協会 TEL. 0223-37-5116
野外ぐるりんの会 TEL. 090-5992-5556


(平成24年2月13日)