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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月21日火曜日

2012年2月21日火曜日11:00
 こんにちは。寒い日が続きますね。龍庵です。

いこいの日帰り温泉として栗原市民に親しまれている「金成延年閣」。現在は補修工事とリニューアルのため休館中です。
震災時には、いち早く三陸沿岸部の被災者のみなさんの受け入れを表明。避難所としての役割を果たしました。

地元の古典芸能「延年の舞」から命名された「金成延年閣」。
お守りは仁王様かな?







 

久しぶりに延年閣へ。大屋根の美しい建築は、鉄筋コンクリートながら上品な純和風テイストの設計デザイン。駐車場には機材や部材が並んでいます。ロビーにも修理用の足場が組まれ、けっこう大がかりな工事なんだな・・・

瓦の大屋根がダイナミック。
じつはうちの父が20年以上前の金成延年閣の創立メンバーの1人というご縁もあり、現在の佐藤敏宏支配人に事務所で震災当時からの状況をお伺いしました。


こまやかな気配りの佐藤支配人。
「震災で大広間の天井がはがれ落ちて被害が出たけど、320日ぐらいには受け入れ態勢が整いました。ただ、栗原市の職員も三陸沿岸部に応援に行っていたりして、43日にずれ込んだ。車は津波に流されてないだろうから、マイクロバス十数台を手配して三陸まで迎えに行ったんですよ。ところが、そのバスに乗って来たのは2家族ぐらいで10人もいなかった。ほとんどの方がマイカーで来た!兄弟や親戚から、“足がないと大変だろうから”と、譲ってもらったということで・・・」

思わぬ誤算。あの状況でコンセンサスをとることは不可能だったのでしょうね。こうして志津川と戸倉、入谷地区の0歳〜97歳までの111名を受け入れました。
大広間はダンボールの仕切ではなく、大工さんの手による木材の仕切。1メートル弱の高さで、座ると視界が遮られた空間に。皆さんの様子はいかがだったのでしょうか?

当時は仕切られていた大広間。
中広間もいくつかあります。
広間からの風景
 「着いた日はそうでもなかったけど、翌日から皆さん思ったより明るいんですよね。逆にこちらが励まされるぐらいの笑顔で。実際は、家が流されたり、ご家族を亡くされた方もいらっしゃるんでしょうけど、そういう片鱗はあまり見せなかったというか・・・深い気持ちまでは分かりかねますけど“大したもんだなと思いました。あの元気、気力はどこから出てくるのか・・・?」

市役所の職員とも相談しながら、被災された方々で自治会を立ち上げて、役割分担。トイレ掃除からロビー掃除まで生活全般のことを自分たちで行うようにしたということです。毎日の張り合いも出るという側面もあるでしょうし。延年閣サイドはスタッフ38人で三食の食事とお風呂の提供。通常は日帰り温泉なので、夜は誰もいなくなるのですが、三交代制のシフトを敷いて対応。

作業の合間に。右の方も佐藤さん。機械関係の責任者。
「もともとご近所ではなくても、自治会を立ち上げたこともあって、つながりは強くなったようですね。小さい子どもをみんなでかわいがったり。毎日同じところで寝泊まりしていると、そういう輪ができていくのを感じました。ここの避難所は畳敷きですし、温泉もありますし、よかったのかなとは思います。すべての面で救われるわけではないでしょうけど、多少なりとも貢献できたのかなと思います」

パソコンに向かう佐藤支配人。
「通常はお客様にはこちらから話しかけるんですけど、今回の場合は逆に向こうから話しかけられればそれに応えるというカタチの気遣いをしました。たしかに顔を見ればなんでも話ができそうなんですけど、それはちょっとね。一歩、立ち止まって考えないと・・・5カ月も一緒にいましたので、仲よくなった方々もいますので、ある程度のことは聞かれたりもしましたけど、その辺は気を遣いましたね。
47日の二度目の大きな地震のときは夜だったので、みなさん寝ていましたからビックリしましたね。震度6強。みなさんまざまざと思い出したのではないでしょうか。その後も余震がかなりありましたから、4月いっぱいまでビクビクしていたのではないでしょうか。」

いちばんうれしかったことは?

「最後にここを退所されるときに、ニコッと“また来ますね”と言って帰られたのが印象に残っています。“自分たちは大変なところにまた行かないといけないけど、ありがとうございました”と笑顔で帰られた。サービス業ですから、笑顔を見られるのがいちばん。こういう仕事をやっていたよかったと感じます」
誠実さが伝わってくる佐藤支配人は、そう話してくれました。
ロビーの奥の広場。外壁も修理中。

露天風呂からの風景。栗駒山が見える日もある。
避難されていたみなさんはその後、南三陸町に戻った人、仮設住宅に入った人、一般アパートに移った人、登米市の南方の仮設住宅に入った人とさまざま。金成延年閣という場所で出会い、また新たな人生を歩まれているんですね。どんなにカタチが変わろうとも、幸せな居場所を、それぞれの青い鳥が見つかることを祈ります。

延年閣は現在、リフォームの真っ最中です。施設内の工事の様子をお見せすることはできませんが、かなり大がかり。お風呂もさらに快適になるようにリニューアル。4月末までの工事予定。その後、点検検査で5月中には再開予定ということです。湯質がよくポカポカにあたたまり、心身ともにリラックスするあの温泉に早く入りたいところです。

龍庵拝



(平成24年2月21日)

金成延年閣
989-5122 宮城県栗原市金成三沢32
TEL 0228-42-1121   FAX0228-42-1123  

【企画予定】
デイサービス
3回、栗原市内と花泉、気仙沼方面の3コースをバスが巡回。お風呂と、専用のお部屋での食事がセットに。
出会いの場
JAとの協同プロジェクトで、独身の方に出会いの場を提供。
※詳細は電話で直接お問い合わせください。