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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月7日火曜日

2012年2月7日火曜日10:23
いつもご愛読ありがとうございます。

new-Tです。

もうすぐあの地震、津波から1年ですね。

あの日、何をしていましたか?

100人いたら100通りのエピソードがあるでしょう。

大スペクタクルの体験、悲しい体験、心細い体験、人のやさしさを強く感じた体験など等、このブログでもさまざまな人たちのさまざまな体験を伺ってきました。

そのまま記事になった方もいますし、その部分をカットした方もいますが、取材する皆さんには一様に「あの日のこと」から聞き始めます。

今回紹介する方は、自分が体験したあの日の夜のことから、とある計画を立ちあげました。

「311星空プロジェクト」

遠藤瑞知さん(49歳)です。





あの日の夜。避難所で過ごした人も、自宅で過ごした人も、停電の中でろうそくを灯してラジオに聞き入っていたでしょう。

遠藤さんも奥さんの実家で、奥さんと奥さんのお母さんと、ろうそくを立てて夜を過ごしました。

「このまますべてが終わってしまうのかもしれない」

そんな恐怖を感じながら話をし、怖さを紛らわし寝付けない夜を過ごしました。

「いたたまれなくなって外に出ると、すごみさえ感じられるまばゆく輝く星空が広がっていました」

翌日から社会は食料品の買い出しやら水の配給やら生活必需品を求めて動き出します。

するとどうでしょう?
遠藤さんが買い出しの長い列で並んでいると、全然見知らぬ人と会話するという不思議な感覚に出会います。

「あそこのスーパーは昼頃開くらしい」とか、「あっちの店ではカップ麺が一人3個まで買える」とか、生活情報を交換するようになりました。

「今までこんなに見ず知らずの人とコミュニケーションが取れたことはありませんでしたね」


遠藤さんの知人は「いつもウザイウザイとか言われてた娘ともいっぱい話ができたけど、それもあかりがつくまでだったよ」チャンチャン。


哀しいオチです。

あかりは大変便利なものですが、そのおかげで本来見えるはずのものが見えなくなっているのではないか?

千年に一度の出来事を経験し生き残った僕らは、未来にそのことを伝える義務があるのではないか。

遠藤さんはそう考え始めます。


あの時から6時間後の20時46分にあかりを消して家族や大切な人とひととき、たとえばキャンドルの下で会話をし、過ごす時間を持とう。

その時間に僕たちの街だけでなく、震災を知り、泣いてくれたり祈ってくれた全国や世界の人が呼応してくれたら、まばゆい星空を通じて思いがつながることになるはずだ。

そして犠牲になられた方への哀悼の祈りを捧げられる。

昨年の5月20日、遠藤さんはその思いを初めて友人に話します。

まずはネットで広げるのではなく、実際に人に会って話すことにしました。買い出しで並んだ時に会話することで情報を得たように。


直接の会話をポリシーとするので、このプロジェクトでの遠藤さんの肩書きは会長でも代表でもなく、言い出しっぺフレンズといいます。

そして賛同してくれたみんなも言い出しっぺフレンズなのです。

誰が上でも下でもないこの平らな感じがゆるやかでいいですね。


未来への記憶を残したい。

個人個人の点が結びついていく。

現在、この趣旨に賛同する言い出しっぺフレンズは海外の人も入れ約700名ほど。

昨年の12月24日からはネットを解禁し、言い出しっぺフレンズの募集もしています。

遠藤さんは仙台市内の老舗映画館、桜井薬局セントラルホールの支配人です。

なんともう開館32年!!

シブイ映画をやることで有名です。


映画館は暗くならなければ映画を上映できません。

暗闇が映画の生命の源でもあります。

何故人間は映画を見るのか?

夢の再現という考え方もありますし、胎内回帰であるという分析もあります。

どちらにしても暗闇は懐かしい。人間が落ち着ける環境であることは間違いないようです。


遠藤さんの311星空プロジェクトは映画をこよなく愛する人でなければ考えつかなかったことなのかもしれません。






311星空プロジェクト公式HP
http://311hoshizora.jp/


(平成24年2月7日)