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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年2月24日金曜日

2012年2月24日金曜日3:00
こんにちは、石巻よりアオキです。
本日は、「いしのまき環境ネット」の川村久美さんと徳永美嘉さんにお話をお伺いしてきました。
とっても気さくなお二人で、快くたくさんのお話をしてくださいました。
川村さん、徳永さん、アオキの熱い語り合いをお届けしたいと思います。

「いしのまき環境ネット」とは……
~石巻から元気な地球を次世代の子どもたちへ~をテーマに、植林や炭作りなどの森林保護活動、市民農園・味噌作り・漁業体験などを通した地域文化と繋がりの再発見、微生物資材を利用した衛生向上、教育機関での環境教育等を行っている宮城県石巻市のNPO法人です。

2004年から活動が始まり、2005年6月に法人化され、本格始動しました。
川村さんはいしのまき環境ネットの発足時から理事、事務局運営を務めていらっしゃいます。

昨年の震災を経て、
「今こそ役にたたなくては!」と、川村さんは思いました。
いしのまき環境ネットでは震災後、在宅・仮設生活者の支援、被災環境の改善、礎プロジェクト(オリジナル商品を販売し売り上げを寄付する活動)、などの活動をされています。


礎プロジェクトTシャツ(一枚:2,000円)


礎プロジェクトはがきセット(一組4枚セット:500円)


徳永さんは、5月9日初めて山形県から石巻に入りました。
そこで、“被災地では2カ月間パンとおにぎりだけの食事をしている” という情報を耳にしました。
ニュースでは“被災地の生活は改善されている”と報道される中、そんなことがありえるのかと、徳永さんはショックを隠せませんでした。
 “どうにかしたい、けど、どこから始めたら良いのか分からない” という思いを抱えていた徳永さんは、知人にその思いを話しました。
「地元のNPOの人たちと一緒にやっていくべきだよ」と、いう言葉に後押しされ、知人伝に知り合った川村さんに思いを告白しました。こうして、川村さんと共に活動することになったそうです。

川村さん、徳永さんは、少し先の生活を想像したときに必要になること、そして、今必要とされていることに敏感に活動しています。一人暮らしのお年寄りや自宅避難者の方々のニーズを汲み取った支援活動が生まれています。
「支援の手が届きにくい方に寄り沿った活動を心がけています」と、川村さん。
徳永さんも 「一方的にならない、皆さんにとって必要な所のサポートをしたい」と話してくださいました。

支援活動を通し、こんなエピソードがあったそうです。
石巻市浦屋敷地区に、お弁当の配給をしていた時、
「買ったばっかりのテレビを地震の揺れから守ったのよ。 ところが津波で全部流されちゃったの」
「津波で塀やガレージが流され、初めて知り合ったご近所の方も多かったのよ。 変な話だけど、津波で全部流されて、それから仲良くなった人たちも多いの」と、笑いながら教えくれる地元の方の姿がありました。
地元、石巻の皆さんにたくましさを感じたと徳永さん。
そこで生まれた新たな繋がりを絶やさないためにも、“集まれる場所がほしい”という声を汲み取り、石巻市浦屋敷に交流サロン“ハピネスサロン浦屋敷”を作りました。
そこでは、地域の方々が、集って・食べて・笑いあえる様々なプログラム、地域の歴史を学ぶ会や情報の共有、減災についてのワークショップ、コンサートなどのイベントが昨年10月から12月までの3カ月間にわたり行われました。
川村さんと徳永さんは、“自宅避難者の方々の手による新たな地域作りのお手伝いをしたい”という思いがありました。

また、徳永さんは、
「自分一人では何もできないと思っていました。 けれど、やりたいという想いから多くの人との繋がりが産まれ、そして支えられ、活動を続けてこれたことに驚いています」
それまで、行動することに消極的だった考えが“やればできる”という考えに変わりました。
そして、“行動するということは、問題にぶつかり、考え、その先を知ることができるものだ”と、活動を通し教わったと話してくださいました。

「震災当時、毎日っていうのは、奇跡の連続なんだということに気付かされた」
と、川村さん。壁がなくなって初めて繋がった人や、普段何気なく過ごしていた日常のありがたさの中から見出した、“新しい価値観”がありました。

また、川村さんは、震災で受けたショックを忘れないために、たまに津波被害の大きく見られた地域へ足を運ぶそうです。
「だんだん環境に慣れてくるという面もあって……。 大変なことが起きたんだという感覚を忘れたくないです」
日々変わり行く生活の中でどういう支援が必要なのか、何気ない日常のありがたみ、こうした感覚を忘れないためにも、あえて震災当時を振り返ることをしているそうです。

これだけの震災を経て学んだこと、決定的に変わった価値観が、時間が経つにつれて薄れて行くことがないように、皆さんが大切な思いを胸に抱き、これからの未来を作っていけることに川村さん、徳永さんは期待しています。
実際、震災当時のまま、未だに手つかずの地域がこの石巻に残っているのも現状です。
これだけの震災だったのですから、学べたこと、気付いたことが、誰の心の中でもあったはずです。
東日本大震災は、いつ何が起こるかわからないと日本中が気付くきっかけになったのだから、一日一日を大切にしないといけないなと感じました。

いしのまき環境ネットでは今後も引き続き、まちづくりはもちろん、支援の手の行き届きにくい所を支える活動を続けていきます。被災から立ち上がり、愛すべき石巻で生活しようと励む皆さんのできるだけ近くにいたい、そんな思いでいらっしゃいます。

「復興といっても、そんなに焦って元気にならなくてもいいと思うのです。 何かと比べたりして焦るのではなく、ゆっくりゆっくり笑えるようになっていけたら良いと思います」
そう話す川村さんと徳永さんに、言葉には言い表せない、心で感じる、温かみを感じました。

左から徳永美嘉さん、川村久美さん。

震災という、痛ましいきっかけでしたが、一気に石巻の名が広まりました。
全国からのたくさんの支援や、石巻をもっと知りたいという声がありました。
何度も訪れるボランティアリピーター、長期滞在での支援活動、さらに移住される方もいらっしゃいます。
まだまだ復興への途中過程の石巻ですが、人をひきつける“魅力”があるのです。
一体その魅力とは何なのか?
「語ろう!石巻!」
と、徳永さん。
“この石巻の魅力を皆で見直してみてほしい”とお話してくださいました。


無限大な可能性を秘めた石巻、そして石巻本来の魅力について語り合ってみるのも素敵だな、と思ったアオキでした。

いしのまき環境ネットHP:http://www.i-net.or.jp/

(平成24年2月24日)