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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年1月12日木曜日

2012年1月12日木曜日15:00
こんにちは、石巻よりアオキです。
みなさん“ISHINOMAKI VOICE”をご存知ですか?




“未曾有の困難に対し、強靭な人間力によって立ち向かい、一日一日を乗り越え続けている石巻人の声”
を集めた、石巻2.0事務局により発行されたフリーペーパーです。
この石巻2.0とは、石巻復興、そして“全く新しい石巻”を作るべく、結成された団体です。

今回は、石巻2.0実行委員を努める松村豪太さんにお話を伺いに石巻市中央の復興バーにお邪魔してきました。
松村さんは、石巻市出身。石巻2.0実行委員だけでなく、NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンター、石巻ふるさと復興協議会事務局長、復興バーマスターと、大変活躍されていらっしゃる方です。
物腰の柔らかい、とっても素敵な方でした。

震災当時のお話をお伺いすると、
「“これが宮城県沖地震か、ついに来たな”と思いました。 津波が来るぞという街の人の声も聞こえていましたが、来てもせいぜい20~30cmのものだろうと思っていました。 実際には波は天井近くまで至り、一晩中引き波・津波と繰り返していました。 雪も降ってましたし、とにかく寒かったです。 自分の目の前の状況しか把握できず……」
一晩、石巻市中央にある事務所から動けなかったそうです。

「もともと、“もっと石巻を活気づけたい”と、まちおこしを考えていかなくてはならない時期に、この震災という状況でした。 翌3月12日、通れる道路を見付けながら街を歩いていると、どこもヘドロだらけ。 瓦礫、壊れた家、打ち上げられた船、流されてひっくり返ってる車……やることは、目に入るだけたくさんありました。 人を探し歩き、へドロ掻きを始めました。 震災から間もなく、仙台からはスポーツNPOの方々が早い段階から応援に駆けつけてくれたので、ヘドロ掻きを手伝ってもらいました。 隣の家もやってあげよう、その隣もやってあげよう……そうしていくうちに全く見ず知らずの人の家もやっていました。 そのうち、スポーツ関係者だけでなく、今一緒に活動している石巻2.0の仲間たちや、東京・横浜の建築家だったりと、たくさんの方と一緒に活動していくようになりました。 そうした活動の中で“ドロ掻きや瓦礫撤去ももちろん大事だけど、それ以上にできることがあるよね”“街をおもしろく変えちゃうチャンスだよね”と、声がでるようになって」
と、この時すでに松村さんや仲間たちの中で、今後の“新しい石巻”の姿を思い浮かべ、再建のチャンスだと考え始めていたのです。

“三月十一日の震災をきっかけに、その中央商店街から復興の狼煙を上げたい”
“石巻を復興させたい”
“石巻を通し、被災地の復興モデルを提案して、東北復興の手助けをしたい”
“昨日より今日より、明日をよくしたい”
“自由闊達な石巻人のDNAで、全く新しい石巻にならなくてはいけない”
(ISHINOMAKI 2.0 vol.0 VOICEより)

そんな想いを抱く、石巻の商店街の店主の方々が集まり、“新しい石巻”を作るべく、石巻2.0が生まれました。

2011年7月23日~8月1日、石巻2.0主催により石巻市中央で“STAND UP WEEK”という、手作りのお祭りが開催されました。
「私たち石巻2.0の初めての活動がこの“STAND UP WEEK”。 震災から、何事にも自粛ムードの石巻でしたが、石巻の毎年恒例“川開き祭り”が中止になったとしても、こんなときだからこそやるべきだと開催しました」
石巻2.0始動から、始めて形となったイベントになりました。

石巻2.0のプロジェクトは、このSTAND UP WEEKの他に、さまざまな試みで石巻の復興を盛り上げます。
その中で本日お伺いしたのは、石巻市中央の村松さんがマスターを務める“復興バー”。




この場所も、震災時に津波の被害に見舞われ、改装して新しくうまれたバーです。
壁いっぱいに描かれた絵は、武蔵野美術大学を中心とする“思い絵プロジェクト”のみなさんが書いてくださいました。
被災者の方々のいろいろな話を聞いて想いをデザインし、絵を描くことで勇気づけようというプロジェクトだそうで、“思い絵プロジェクト”の皆さんから何かお手伝いできないかという申し出があり、さっそく書いてもらったのがこちらの壁画。



2011年7月23日にオープンした復興バーは、商店街の方や県外からいらした方々の夜の集いの場となっています。たわいのない話から、涙あり、熱く、真剣に復興を語る姿など、毎夜毎夜さまざまな物語が描かれているそうです。多いときには、一晩で50名もの人が集まりました。12席ある店内に、座席数の2倍を超える29名の方が一度に入ることもあったそうです。大変な賑わいです。

「これまでの石巻にはコミュニティーの希薄さが目立っていたように思います。 ですが震災後は街の人と人との繋がりが自然に発生したんです。 生きるために、街の人と人が話し合うようになったのです」

「経済の復興だけでなく、石巻本来の魅力や、今の石巻が持つものを有効利用し、人々を引き付けるような街にしていきたい」と、村松さん。

石巻2.0の取り組みの全てに共通する理念、それは“人の誘致”
「楽しい人、個性的な人が、石巻に楽しみに来てくれる。 そうした、アーティスト性のある方や個性ある方々が、石巻に滞在してくれているうちに新しいアイディアを出してくれる。 街の盛り上がるポイントはこうした“人”だと思うんです。 全てのプロジェクトは、基本的にこの理念の下にあるように思います。 そんな個性ある方々と石巻2.0が関わりあって、新しく共同事業が生まれたりしています」
と、「人こそが財産」と松村さん。
1月12日オープンを迎える「ビズカフェIRORI石巻」は、共同事業として生まれた最初の本格的取り組みでした。

今後の取り組みについては、
「すべてのプロジェクトを通して、“出会いの場”の提供を意識して取り組んでいます。 やりたいことがあったら手を上げやすいような、発言しやすい環境づくりをし、それを洗練していきたいです。そして事業化していきたいです。ビジネスとして取引のできるような、そんな団体と思ってもらえるように成長していきたいです」
と、さらなる活動への意気込みを話してくださいました。

今後の石巻の復興に試みる方々、これからの石巻を担う若者たちに、メッセージをいただけませんか?と、お伺いすると、
「それは、ありますよ!! 今までの石巻は、まちおこしをしたくても、何をしたらいいのか分からない、何を言ったらいいのか分からない、そんな状況だったんです。しかし、今は言いたいことを言ったら、みんな振り返ってくれる。手を上げてちょっと大きな声を上げれば、みんなが注目して聞いてくれる。 やりたいことができる街なんです。この状況を逃すのはもったいないので、そんな環境を生かして、やりたいことがあったらぜひ手を上げてほしい。 東京・関西など全国から、アイデアのある人、クリエイティブな人たち、協力してくださる方々がこの石巻に集まって来ていますし、一緒にこの石巻の街にいるだけで刺激になります。 何かを始めるには、今、チャンスなんです




石巻にいる一人一人の発言、提案から“新しい石巻”を作っていこう、そして“今こそチャンスなんだ”と、熱く語ってくださいました。

熱い思いを胸に、石巻2.0では、震災前を越える“新しい石巻”を作るべく立ち上がった方々が、今日も一歩前に前進しようとまちづくりを試みます。
このようなお話を聴き、もとに戻すでなく“新しい石巻”を作り上げるという試みに共感を感じ、その熱く語る姿に石巻への愛情を感じました。
「こんなことをしてみたい」と、石巻について熱い思いを抱いている方、石巻市民だからこそ出てくる希望の提案を胸にくすぶらせている方、ぜひ復興バーへ足を運んでみてください。
まちづくりの担い手は、貴方かも知れません!!

取材でお伺いした1月12日、石巻2.0のプロジェクトの一つ「ビズカフェIRORI石巻」のオープニングセレモニーが開催されました。
早速そちらにも参加させていただきましたので、次回報告させていただきたいと思います。
今回、熱く石巻の復興に関して語ってくださった松村さんも登場します!!
お楽しみに!!











(平成24年1月12日)