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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年1月21日土曜日

2012年1月21日土曜日15:31

「脚が絡まっても踊り続ければいい」

アルパチーノが全盲の元軍人を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞した映画「セントオブウーマン」。映画館で10回以上は観たこの作品に出てくるセリフを、座右の銘としてココロに刻んでいるmomoです。

自分には今、こうして踊れる足がある。こうしてステップを踏める健康がある。ダンスと音楽に身を委ねる心地良さは、私にとって生きる上でかけがえのない媚薬です。

仙台が生んだ国際的タップダンサー熊谷和徳さん。

彼が主宰するタップダンスワークショッププロジェクト「TAP the FUTURE」は、今年で5年目を迎えます。

毎年3月に、ワークショップの締めくくりとして「My Rhythm」と題する発表会を開いてきましたが、
去年はリハーサルが予定されていた日の前日が3月11日。
公演も中止せざるをえませんでした。
そして、その日に向って練習を積んできたエネルギーは、1年という月日の中に沈澱することとなったのです。

今年の「My Rhythm」は、3月17日の開催と決まりました。
溜まりに溜まったエネルギーを再び開花させようと熱いレッスンが行われていると聞き、仙台市花京院にあるダンススタジオに、ココロデスクと共に取材に伺いました。

幸い本町にあるスタジオは震災の影響を免れ、一カ月後の4月11日にはメンバーが再会。
5月からはレッスンも開始しました。

10代から60代まで総勢40名の生徒が、今回のステージに臨みます。

「震災があって、皆さんのTapの想いがどんどん強くなっていると思います。震災から1年目と公演5年目という区切りもあり、『これから』という想いを込めたショーにしたいですね。今まで起きたことは起きたこととして、希望や未来というものを、自分たちも責任をもって、メッセージとして伝えていけたらいいと思っています」

そう言って、主宰の熊谷和徳さんは優しい眼差しで、汗を拭う生徒たちを見つめます。










音楽もない、タップだけで作り上げる音の世界。それは、音楽のようにも聞こえ、時に会話であり、時には詩のようにも聞こえます。小さな心で、あの震災を受け止めなければならかった子供たちのタップに、震災後に変化はあったのでしょうか。

「気持ちの部分で大きく変わっています。それがTapとか表現にどう繋がっていくかが一番大事だと感じています。心の在り方とタップの在り方は、全部がつながっているんですよ」


熊谷さんは3月11日を東京で迎えました。
4月7日に高速バスを使い帰仙。その日に、震度6の最大余震を故郷仙台で経験します。
「今では、あの震災をこの土地の人が経験してきたことということが、ある意味すごく貴重なことだと感じています。今の子供達が大人になった時に、この経験がものすごく活かされるのではないでしょうか。自分たちの世代は、子供たちに未来を作る責任があります。これからも、ポジティブに楽しむということを忘れずに、横たわっているさまざまな問題に向かって歩んでいきたいと思っています」


熊谷さんは、1977年仙台市生まれ。15歳でタップを始め、19歳で渡米。
国際的なタップダンサー、そして表現者として、宮城の未来をどう感じていますか。

「震災をきっかけに宮城に対する想いが強くなりました。沢山の人も物も亡くしたけど、そこには新しい可能性と、世界のモデルに成り得る場所だと考えていますね。この土地に住む人がそういう意識を持って、いろんなことに向き合うことが大事だと思います。
宮城はこの震災を機に、日本のモデル、世界のモデルとして大切なことを発信ができる場所になるのではないでしょうか。そう期待しているし、これから先の「未来」だと信じています」

レッスンが終わった後、熊谷さんが「あなたにとってタップとは何か」というテーマで、子供たち一人一人にICレコーダーを向けて聞いて歩きました。




「自分が踊ったタップで人を笑顔にしたい」
 「自分にはなくてならないもの」
 「小学生と同級生になること」
 「別の自分と出会うもの」
 「心の支えになるもの」



レッスン風景を見ながら、生活という皮膚を剥ぎ取られたような痛々しい被災地のシーンが、私の脳裏を走馬灯のように駆け巡りました。


 痛かったのは、苦しかったのは、人々の心だけではないはず。
確かにそこには存在した、今では「瓦礫」と呼ばれるかけがえのない生活の証。
取材で未だ傷跡癒えぬ被災地を訪れる度、か細い呼吸で息をする宮城の大地たちの切ない声を、私は何度も何度も聞いたような気がしました。

年が明けてから、連日のように起こる不気味な余震。
執拗に起こる地震が大地を揺るがすなら、こちらはタップのリズムで宮城へエールを送ってみせる。

息吹けよ、いのち 届けよ、大地。
君たちのその小さな足で
この地に立つ 命のリズムたちで。

(momo)





《MEMO》
◆熊谷和徳氏(くまがい かずのり)
1977年仙台市生まれ
15歳でタップを始め19歳で渡米。「日本のグレゴリーハインズ」と評され、06年、米ダンスマガジンにおいて「観るべきダンサー25人」のうちの一人に抜擢。
日本とNYを活動の2大拠点とし、近年はヨーロッパ、アジアなどでの活動も盛んにおこなっている。2011年より自身のリーダーバンド”K.K.QUINTET”を結成。
ライブ活動、SOLO活動、様々なジャンルとのコラボレーションなど、その独自のタップは唯一無二なアートとしてさらに進化している。
http://www.kazukumagai.net/




◆TAP the FUTURE in SENDAI
タップダンサー熊谷和徳さんが主宰するダンスワークショッププロジェクト。
2007年より(財)仙台市市民文化事業団の協力のもとに結成。今までの受講者は延べ100名を超え、熊谷和徳をはじめKaz Tap Companyのメンバーと共に数々の舞台に出演。



震災から1年、自分にとってのTAPとは
総勢40名で奏でる自分だけのタップの音

Tap dance Art Project
TAP the FUTURE in SENDAI

第5期末公演!3月17日(土)決定!『My Rhythm』詳細はこちら


◆お問い合わせ
仙台TAP WORKS事務局
TEL 090-5589-0189
sendaitapworks@gmail.com

◆チケットお求めの方はイープラスにて!
http://eplus.jp/sys/T1U14P002069316P0030001P006001P0010175

(平成24年1月21日)