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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年1月26日木曜日

2012年1月26日木曜日8:02
気仙沼市 松崎片浜を訪れたkaiiです。



気仙沼市松崎片浜の、岩井崎と大島を望む小高い丘の上に建つ「煙雲館(えんうんかん)」。
仙台藩伊達家御一家筆頭鮎貝家の居館。
明治時代の国文学者であり歌人の「落合直文」の生家です。
気仙沼市名勝に指定されている庭園は、江戸時代初期の作庭と伝えられている
回遊式池泉庭園です。














津波の後、雪の降り残る、煙雲館に出掛けてきました。
煙雲館の庭には薄っすらと雪が積もり、薄氷が池を覆っていました。

江戸時代からここで気仙沼の美しい海を庭の一部に映してきた煙雲館は
足元に建っていた家並みを失い、眼下に基礎の跡だけを残すだけの場所になり、
土嚢の積まれた海岸線が見える場所に姿を変えていました。















白く積もった雪を踏み分けると「ギシギシ」とした小さな音が足元に小さく響き
雪の表面は陽の光にキラキラと輝いています。
木の枝は少しばかりの雪の重みに枝をゆがめています。
池の表は氷の上に雪のおしろいを・・・美しさを湛えています。



















数年前に、仙台市第30代市長の藤井黎さんをここにご案内しました。
藤井さんはこの庭の美しさを写真に残しながら、散策されていました。

ここの後にお連れした、岩井崎の潮吹き岩から吹き上げる潮をご覧になって、
「今、出漁して行くサンマ漁の船に応援をしているようだった」
と、手紙に書いてくださいました。

「無常」。
常にそこにはあらず・・・過ぎていくもの・・・消えていくものを感じ
その消えゆく瞬間までにと示された使命のあることを、この時吹き上げる潮に感じました。

直文が作品の中に

「砂の上にわが恋人の名をかけば波のよせきてかげもとどめず」

そんなせつなさのある歌が残っていますが・・・
ここから見える砂浜を眺めては、恋心のせつなさを歌にしたのでしょうか?

日本庭園には静寂と無常を感じますが・・・

今眼下に広がるこの風景には「無情」と人の無力を感じずにはいられませんでした。
雪が覆う風景の白さがとても心に痛さを感じさせました。

「置くところよろしきを得ておきおけば皆おもしろき庭の庭石」

この庭に遊んだ直文のこの庭への思いを感じ
どこか後ろ髪を引かれる思いを残し帰りました。

春の芽吹き、夏の青葉、秋のもみじ、冬の雪・・・
この先も同じ季節を繰り返し、時は静かに砂のこぼれるが如しに進んでいくことでしょう。


(平成24年1月26日)