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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年1月23日月曜日

2012年1月23日月曜日18:42
new-Tです。

昨年12月に紹介した、文化を通して東北の復興を応援していくネットワーク組織ARC>Tには発足してすぐにさまざまなところから支援の要請が舞い込みました。

知的障害者の不安軽減、子どもたちへの演劇提供、避難所へのからだほぐし支援、図書館への本の配送、老人福祉施設へのレクリエーションの提供などなど。

その老人福祉施設へARC>T発足当初から現在まで出かけ続けているのが今回紹介する千田みかささん(51歳)です。



千田さんは東京生まれ、仙台で大学生活を送り、小学校に就職、その後ろう学校に勤務。障害児の担当になります。

そして、東京で開催された障害児の人たちとのダンスワークショップがあり参加。

講師はウォルフガング・シュタンゲさん、ドイツ人です。

障害児とのワークショップをするうちに何も出来ないように見えた子が怒って偶然自分のしていた髪留めを投げたそうです。

それを見たシュタンゲさんは「彼女は投げられるね」と大喜び。

翌日、シュタンゲさんは、いっぱいのクルミを持ってきて彼女に投げさせました。

そうこうするうち、4、5人のダンサーがそれにコラボレート。

クルミを投げるとダンサーが踊る、あるいは動くということをやっているうちに、彼女はなにかを察知しました。

彼女は車椅子から降り、体を動かし始めたのです。

千田さんは、これが表現だな!!と感動。

この感動が今現在の活動に直結しています。

この後、千田さんはJICA(ジャイカ=国際交流機構)のシニアボランティアに合格。

'06年モロッコで障害児教育のボランティア。発展途上国で障害児教育指導者の育成を担当します。

'09年から’11年まで中央アメリカのホンジュラスで同様の仕事。

このモロッコからホンジュラスまでの期間の狭間を縫って’08年、自分の即興パフォーマンス集団「すんぷちょ」の旗揚げ公演を仙台で行っています。

なんという精力的な動きでしょうか。

ホンジュラスから’11年1月に帰国。そしてあの大震災です。

東松島市の社会福祉法人 慶和会 花いちもんめからの要請に千田さんは早速ARC>Tメンバーに声がけを開始、態勢を整え向かいました。

それが5月。

震災前の笑いや楽しみを取り戻すための闘いが開始されます。

施設職員の方々は明るく元気に見えましたが、後から聞くととにかく疲労していた時期だったようです。

家族を家を、津波でなくした方もいました。

東松島のボランティア団体も被災。

高齢者のことはよく知らない中で手探りのサポートが続きました。

東松島市の花いちもんめは2カ所あり、主にデイサービスを行っています。

千田さんたちが施設に入って高齢者の方にプログラムをする際には平均30名、多いときで50名になるようで、プログラムを施す側のARC>Tメンバーも多い方がベストなわけです。

開始当初は8名くらいだったメンバーも、現在は4名くらいで回しています。

ちょっと大変ですね。

さて、プログラムはどんなことをやるのでしょうか?

プログラムは大体2時間の内容で最初の1時間は見せたりやったりのからだほぐし体操。

高齢の利用者と一緒にやるこのプログラムは施設職員の方々が驚いたようです。

職員の方にとってはコペルニクス的転回だったんですね。

次いでお茶を飲みながら傾聴(利用者の話を聞く)。

これで約2時間です。





わたしなど『ココロプレス』の取材で約30分の話を聞くだけで疲れたと感じるときがあるんですが、千田さんは?

「確かに疲れますよ。でも、なんかねお風呂上がりのような爽快感もあるんです。」

「ちょっと風邪気味かな?って時もプログラムやって帰ってくると治ってたとか。」

へえ!!

うまく相手の気と循環してるってことなんでしょうかね。

高齢者や障害児へのプログラムは今強く求められています。

プログラムの頻度を上げたいのに、千田さんと共に実践するメンバーを固定できないのが悩みです。

施設に行くのは大体が平日。そうするとメンバーは仕事を休まなければならない。しかし、休んだ分に当たる賃金が出せない。

難しい問題です。

でも、明るい展望も出てきました。

ARC>Tが助成申請した「高齢者と地元アーティストの学び合い事業」にジャパン・ソサエティ東日本大震災復興基金より助成が決まったのです。

新しいプログラム開発でポイントになるのは複合的ということです。

視覚だけでなく、聴覚や五感に訴えるものを開発したいと千田さんは目を輝かせます。

この助成金でメンバーへもそれ相応の賃金が出せることになりそうです。

そして千田さんはアーティストですから、そっちの方も一生懸命です。

「全ての人にアートを」というキャッチフレーズの「すんぷちょ」は昨年11月福岡県北九州市に遠征しました。

北九州市の枝光本町アイアンシアターが震災復興支援としてARC>Tに申し入れ、それを「すんぷちょ」が受けたわけです。

「すんぷちょ」メンバーは地元に1週間滞在しながら地域の人々と創作/交流体験プログラムを創り上げました。




さまざまなところでボランティアの人々は活動しています。

その仕事も多岐にわたり、専門性が無くてもやれることから、専門性が問われる活動まであります。

アーティストは心と身体の専門家です。

震災復興の現場での瓦礫の撤去やどろかき、解体などをハード面の分野だとすれば、心の傷の恢復はソフト面の分野でしょう。

そしてそれは長くかかる継続的な支援が必要です。

笑顔という人間最良の美質を取り戻すために千田さん含めアーティストたちは頑張っています。

そしてそれはアーティストを名乗る人間全ての正念場でもあります。
ところで、「すんぷちょ」ってどういう意味なんでしょう?

仙台弁で急須をすんぷちょというと、友人から教えられたそうで、

ええ?こんな仙台弁ないなあ。

どなたか仙台弁の達人、教えてください。


千田みかささんへの問い合わせは
ARC>T事務局
TEL. 080-1667-3105

(平成24年1月23日)