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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年1月10日火曜日

2012年1月10日火曜日15:00
こんにちは、石巻よりアオキです。
石巻といえば、魚介類。地元石巻の食材をふんだんに取り入れた料理を出してくれるお寿司屋さんがあると聞き、石巻市中央にある「銀玉水」の岡崎耕造さんを尋ねてきました。





店先にはお魚が干してあり、港町・石巻らしい雰囲気のお店です。
石巻でとれた魚介類はもちろん、岡崎さん自らが栽培した野菜類もお店に並びます。
焼き魚やお刺身、天ぷらなどの豊富なメニューが魅力的なランチ、そしてふぐ料理が人気だそうです。





震災当時は津波の到達した地区にあるお店。震災から今に至るまでのお話をお伺いしました。


大きな地震に見舞われたその時、岡崎さんはお店にいました。まもなく、近隣の商店街の方がお店にやってきて「5メートル以上の津波が来ると避難警告が出されている。避難しましょう!!」と、いう呼び掛けに、急いで日和山へ避難し、お店に戻って来られたのは2日後、3月13日のことでした。
道には、たくさんの瓦礫にまみれて、近隣商店街で売り物として並んでいたであろうカップラーメンやヨーグルト、どこの会社の物なのか分からない書類などの事務用品や仕事道具などが流れ着いて来ていました。
2.3メートルほど浸水した跡は残りましたが、幸い銀玉水のお店の建物には目立った外傷は無く、閉じたシャッターも無事だったため、お店の中の仕事道具などが流されずに済んだそうです。


「その後の泥掻きが一番大変でした。何をするにもとにかくドロだらけ!」
と、岡崎さん。全てのドロを掻き出すまでに1カ月もかかりました。
「一気に大きなシャベルでやろうと思うと、なかなか思うようにいかなくてダメだったね。いろんな調理器具もあったし、小さなスコップで一すくいすくっては外へ、また一すくいと、まるで宝物を探すように片付けていったよ」
調理器具を見付けるたびに感動し、使ってきた一つ一つの仕事道具への思い入れが胸にこみ上げてきたそうです。


4月にはボランティアの方々に協力してもらい、瀬戸物類を洗いました。
千葉や山形などの県外からは、岡崎さんのご友人が15名ほど駆け付けてきて、お店の内装や、もろくなってしまった壁の修理など大工仕事をすべて手作業で手伝ってくださったそうです。


「とにかく毎日、終わりの見えない片付けばかりしていた日々だったので、そうしたボランティアや友人の力は営業再開を早めてくれたきっかけになり、励みにもなりましたね」
と、当時を振り返ります。


お店の片付けや大工仕事が一段落した5月の始め頃、石巻には電気が通るようになりました。すると、お店のメインの冷蔵庫が故障しておらず、使えることがわかりました。津波の水に浮いた冷蔵庫は、重要な機械部分が水に浸かることなく、無事だったのです。


「冷蔵庫が使えると分かったとき、初めて再開の見通しがつきましたね。 よしやるぞ、と思えた瞬間でした」
と、岡崎さん。
機械類などの営業再開に必要な道具が全て揃ったのは6月13日。その日の夕方には早速営業再開を果たしました。


それまでの、小さなスコップで時間をかけて少しずつ進む毎日について、
「今日は何をやったんだろう……。 毎日同じことをやっていて、いつか、何かが変わるんだろうか。 と、不安に思う日々が続きましたが、今振り返ると、そうした思いを抱きながら毎日ちゃんと進んでいたんだなって思ったね」
と、話す岡崎さん。
従業員の方もお皿を洗いながら
「欲張らないで、少しづつね」と。
さらに
「んだね。 なるようになるっちゃね」
と、岡崎さんも笑顔で話す姿が見られました。





今後のお店や石巻についての思いをお伺いすると
「毎日お店を開けること。 維持してやっていくこと。 この商店街の方々みんながそれぞれ一生懸命にやってる。 それでいいんじゃないかな」
と、日々の積み重ねこそ重要だと話してくださいました。





「もっと言っていいなら、もう少し車社会に対応した商店街になっていけたら良いね。駐車スペースを増やして、昔のようにこの辺りに買い物をしにみんなが出かけてくれるような、人が行き交いやすい街並みになっていってくれたら嬉しいね」と、中央商店街の賑わいが戻ることを願っています。

お恥ずかしい話ですが、私、アオキはせっかちな性格です。
先走りがちなところがあり、物事が長続きしなかったり、後から「あちゃー」と反省することも少なくありません。
今回、岡崎さんのお話を聞かせていただいて、目に見えて大きく進むことだけがすべてではなく、毎日の積み重ね、そして維持していくことが後に大きな結果に繋がるということを、改めて学ばせていただきました。
“毎日こつこつ、日々成長していきたいな”と、考えながら歩く帰り道になりました。


(平成24年1月10日)