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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2011年12月28日水曜日

2011年12月28日水曜日16:13
いよいよ押し迫ってきました2011年。
年の瀬というのはいつでも気ぜわしいもので、夫婦げんかしている人たちを色々な所で見かけますね。
人のことは言えないんですが、やっぱり世間のしゃかしゃかした気分に乗っちゃうんでしょうか。
そういうときはこんなお店でゆったり過ごすのもいいかもしれません。
馬の用品、馬具のお店です。

new-Tです、こんにちは。
「ホース・ギャラリー チモシー」は仙台市若林区のメインストリートからちょっと入った閑静な場所にあります。大体がこの近辺はお寺町ですから閑静なんですが。


「ココロプレス」私の第1回取材者である大橋信彦さんから紹介されたのが店長の鈴木弘二さんでした。
ということは閖上コネクションということになります。
ちなみに12月2日付けの吉田浩文さんも大橋さんからの紹介の方でした。
さて、鈴木さんは平成16年から閖上でベル・シーサイドファームという競走馬の牧場を経営していました。
仙台空港の東約1キロ、名取市所有の海岸林の中にその牧場はありました。
お聞きして驚いたのは、馬たちがその海岸林に入ると、気持ち良さそうに横になったのだそうです。
馬が横になるときは重病の時だ、なんて聞きかじりを信じていたわたしなど本当にへえ! でした。しかし、それは鈴木さんも同様だったのです。

後でわかったのは、山から吹き下ろす風と海からの風が松林の中でいい具合に混じり合って、特別な空気を醸し出しているというのです。
馬たちにはその特別な空気がすぐにわかったんですね。

「あとは馬の天敵であるアブがいなかったことと、波の音でしょうか」

この名取の海岸林のファームは仲間たちからも太鼓判を押されました。
震災前まで40頭を越える馬の世話をしていましたが、3年くらい前にファームは息子さんに任せて、鈴木さんは平成22年「チモシー」を開店したのです。

とにかく馬と暮らしてきた鈴木さん。物心ついた頃には馬術競技の選手になり、18年連続で国体に出場。宮城県の監督を引き受けて、平成13年の宮城国体ではチーム総合優勝も飾っています。
このようなお店を持つことは夢だったのでしょう。

そしてあの震災。
「41頭いた馬のうち39頭が犠牲になりました。私が可愛がっていた馬もその中にいました。私の物で残っていたのはパスポート1冊だけ。ファームに泊まるときに寝倉にしていたキャンピングカーも流されました」


震災の1週間後には重機を借りて犠牲になった馬の遺体捜索を開始します。
長年寄り添ってきた馬たちの悲惨な有り様を見るのは忍びなかったでしょう。

「残酷な光景でした。馬は正直ですし、人を信用して生きてきたのですから」
捜索が終わったのは4月半ばでした。



鈴木さんにご自身の復興についてお聞きしました。
「自分の気持ち次第ですね。強い気持ちで向かえば復興も早いと思います」
「震災後初めて入ったファームは、瓦礫一つない砂漠でした」
「開き直りで生きる、かな」

生き残った2頭の馬は、息子さんが仙台市の秋保で再開した牧場で元気に生きているそうです。
後日、息子さんも取材したいと思っています。

ところで、お店の名前チモシーって?

それはヨーロッパ原産の牧草の名前です。明治時代に日本に導入され、北海道や東北の馬産地で栽培されてきました。


「馬の道具を実際目で見て触れる場を提供したいと思い開店しました。自分の経験から乗馬の始め方、道具の選び方、留学アドバイスなどの対応もします。」

お店の中は馬グッズでいっぱい。馬の鞍、ヘルメット、ムチ、アクセサリー、ファッション用品まで

馬と一緒にいると心が癒されるとよく言われます。
チモシー店内はまるでそのような空間に感じられました。
馬と長年心の交歓を果たしてきた鈴木さんだからこその環境設計かもしれません。

ホース・ギャラリー チモシー
仙台市若林区新寺2-8-6 日販ビル1階
022-781-8399

(平成23年12月28日)