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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2011年12月8日木曜日

2011年12月8日木曜日21:59

こんにちはnew-Tです。

今年の9月、まだ「ココロプレス」の影も形も無かった頃にわたしはこの東松島図書館を訪れました。目的は下見です。
なんの下見かって?それは後ほど明かしましょう。

その時にこの図書館内に漂う穏やかな気配を感じました。親和的というのか、牧歌的というのか、とにかく柔らかい空気で満たされている図書館です。係の方たちも気さくでニコニコしています。

震災後の図書館はどこでも本が崩れ復旧までに時間がかかりました。未だ開館していないところもあります。ましてや津波によって本が流失してしまった図書館さえも。

震災で何も手に着かなくなった方々は本を求めました。文字を求めました。本の中の智恵と叡智を求めたのです。





この前来たときも駐車場は満車でしたが、今回も満車です。平日の午後だというのに図書館には多くの利用者の方々の姿がありました。


副館長の加藤孔敬さん。お名前がちょっと読めません。名刺を見ると「よしたか」さんでした。この名前を読めるのは姓名判断をする人くらいかも。ま、それはさておき。加藤さんはにこやかに応対してくれました。

3月11日の地震の被害はそれほどでもなかったようですが、4月7日の地震で天井が落ち、木製の書架が割れるなどしました。

そして、6月1日に仮開館したとき、やってきた方々の静かな様子に加藤さんは驚きました。特に60歳以上の男性の言葉を失ったような様子が印象的でした。

今まで自分が築いてきたものが一瞬のうちに消え去ってしまった人々に何が必要なのでしょうか?
もしかしたら厖大な蔵書を全て失った人もいるかもしれません。それより家族を喪った人の絶望は何をもってしても代わりになるものはないはずです。そんな時に人は一冊の本を手に取るのかもしれません。

図書館が十分に機能を果たすためには、色んな所に本があることでしょう。加藤さんたちは市民センターや仮設住宅にいくつか書架を置いて「小さな図書館」活動を開始しました。これも全国から送られてくる支援の本のおかげです。

ちょうどクリスマスの時期。館内に支援自治体の熊本市から贈られたクリスマスツリーが飾られていました。







本や有形無形の支援物資をもらいっぱなしというのも心苦しいということで加藤さんは支援してくれた方々にポスターを作り、それを贈ることを始めました。感謝の気持ちをどのように伝えていくのか、市民の方々と、これからも一緒に考えていきたいということです。




図書館を媒介に市民の心の交流を大事にしたいという加藤さんは、館内でのイベントの開催も積極的に取り組んでいます。


ここで冒頭の下見のことを明かしましょう。実はわたし、仙台を拠点に活動する劇団の代表なんです。震災後は「東日本大震災魂鎮め公演」と称して県内各地を巡演し、その一環として東松島図書館で10月に上演をさせていただいたというわけです。本当は外の野外ステージで上演するはずだったんですが、あいにくの雨模様で急遽図書館内でやらさせていただいたのでした。

 この時の加藤さんやスタッフの皆さんの配慮には大感謝です。


宮澤賢治の作品を構成した「人や銀河や修羅や海胆は」という芝居です。


「もっと辞書が欲しいですね。」と加藤さんは願います。辞書があればお礼の文章を紡ぐときに「ありがとう」だけじゃない豊かな表現を探し出せるというのです。

確かに、デジタル書籍やネット辞書ではその言葉しか出てきませんが、紙の辞書なら全体が見渡せるわけです。

本の海をゆっくり泳ぐ利用者の方々は幸せですね。加藤さんたちスタッフの方々は図書館を深呼吸できる快適な海にしています。



東松島図書館
東松島市矢本字大溜1−1 Tel 0225−82−1120

(平成23年12月8日)