header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2011年12月19日月曜日

2011年12月19日月曜日17:49
こんにちは、皆さん風邪など引かずに元気でいらっしゃいますか。
石巻よりアオキです。
今日は、石巻市中央の境薬舗の境政幸さん、奥様の千恵子さんにお話を伺いました。



境薬舗さんは、薬草を中心とする街の薬屋さんです。
もともとあったお店は、津波で流されてきた民家がぶつかって住めなくなってしまったため、断腸の思いで解体に踏み切ったそうです。
今は、隣の建物にお店の場所を変え、営業を再開しています。



震災から約3週間、境さんご夫婦は石巻小学校に避難していたそうです。
4月からは、お店のあった石巻市中央で知人とともに近隣の方々への物資の受け入れや配給を行い、5月からは今のお店の場所を物資の受け入れ場所として提供し、お弁当などの配給に協力していたそうです。


しかし、そんな生活が続く中、境さんは
「もらってばかりいる生活で、本当にいいのだろうか。 このままでは、自分たちがだめになってしまうのではないか」
と、自分たちの力で立ち上がるべく、5月いっぱいで物資の受け入れを終了させたそうです。

そこからは生活の立て直し、そして新しいお店づくりが始まりました。
床下のドロ掻き。一からやり直しとなった商品の仕入れ。店は以前よりは小さくなってしまったものの、6月からはできる範囲で商品を陳列させました。
炊飯釜も新たに買って、生活面もできることから立て直しました。

より良い街づくりに積極的に参加したいと、市役所大通り会にも参加しているそうです。

「問屋さんも被災しているから、商品の仕入れにはとても苦労しています。 今でも、以前の1割程しか商品を入荷できていないんです」
と、境さん。もとのお店も手放し、苦労が耐えない中、それでも嬉しい出来事があったそうです。

それは、お客様からの1本の電話でした。

「やってたんだんね!!」
境さんと、お店の安否を気遣う電話でした。

その一言に、境さんはハッと気付きました。
「そういってくれる方がいたんだ。お店の再開を待っていてくれる人がいたんだ」



「何もしないで息だけをして生きているということは苦しいものです。 何かのため、人のために生きているんだと、実感した瞬間でした。 そしてそれは、人としての喜びであって、人としての当たり前のことなんだと。なので、お店を再開させることは当然のことだと思いました」
普段何気なく生活していた中にこそ、生きがいがあったんだと、酒井さんは話してくださいました。

お店を開けることによって、人と人とのコミュニケーションの場、ともに励まし合い些細なことでも語り合える貴重な場所ができると教えてくださいました。

お店の外装は、11月24日の記事で紹介したNPO法人オンザロードの方々に、元気の出る黄色のペインティングをしてもらいました。
慣れ親しんだお店は手放すことになってしまいましたが、このことで新たな再生意欲が沸いてきたそうです。
「やってもらったからには頑張らなくちゃ」
と、支えてくださった皆さんに、ありがたい気持ちですと話してくださいました。

被災体験を通して「普通の大事さ」を身にしみて感じることができ、「人は一人では生きていけない」と話す境さんの言葉が、私の心にやさしく染み渡って、暖かい気持ちになりました。


そんな境さんは、こんなことをボードに書いてくださいました!!


豊かで、やさしい心の境さんにお会いできて、とっても感激です。
私自身、今日の出会いを感謝して、また一つ勇気をもって前に進む意欲をいただきました。
人と人との繋がり、出会い、日々の当たり前の大切さを教えてくれた、境薬舗さんでした。


(平成23年12月19日)