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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2011年12月12日月曜日

2011年12月12日月曜日10:06
マイクです。

 多賀城駅から徒歩5分、町前にある「Kazunoli Mulata(カズノリ ムラタ)」に来ています。

patisserie Kazunoli Mulata


お店に一歩足を踏み入れると、奥からふんわりと漂ってくる甘い香り。
ピカピカに磨かれたショーケースの中には、色とりどりのスイーツが所狭しと並んでいます。

ショーケースの中にはカラフルなケーキ類が並ぶ


今回お話をお伺いしたのは、オーナーシェフの村田和範さん。

震災当時、ここ町前も大きな津波被害を受けた地区の一つ。
店舗は壊滅状態で、一時は全員を解雇。被災直後は高台移転も考えたものの、今後も多賀城で店を続けていくことに不思議と不安はなかったといいます。

「また津波はくるかもしれない。それでもここで、また店を一緒にやっていっても良い人は?」
村田さんの声がけに、ほぼ全員の手が上がりました。

それからは店舗復旧へ向けて全力疾走の毎日。
全額自己負担という厳しい状況の中、機械類の新たな手配から資金繰りにと奔走する日々だったそうです。

そして震災から約4カ月後の7月2日―
被災前とほぼ変わらぬ姿の、「Kazunoli Mulata」がそこにありました。

村田さんはこう語っています。

「独立独歩。
“復興するための手助けをしてほしい”というよりは、自分たちの力でお菓子屋さんとしての本来あるべき姿に戻ることを常に忘れなかった。
店舗も気持ちも、沈んでしまった部分は切り取って、新しい気持ちで前を向いた」

お使いごとやお礼の気持ち、そして食べる人たちに幸せな気持ちを届けること―
これこそがケーキ屋さんの仕事だと、村田さんはいいます。

「復興がどうこうではなく、普通にやっている、という感じ。誰に頼まれたわけでもない。魚屋さんはやりたくて魚屋さんをやっているし、自分もやりたくてケーキ屋をやっている。それは従業員も同じこと」

震災があったからといって何も変わらない。
今回大きく転んだからこそ、立ち上がる喜びを与えられたともいいます。

ただ一つ、震災後に変わったと言えるもの―
それは、“食べ物を食べる喜び、生きる喜び”。

豊かな幸の中で、食べ物に対してありがたみがわからなくなってきていた現代の日本人。

「心で食べないで、頭で食べている人が多かった。それは確実に変わったし、沿岸部だけではなく、日本で苦しい思いをした人たちは、食べることに対して新しい価値を見出したはず」

「今までどおり良い商品をつくって、楽しくやっていけるはず。やりがいだって今以上にある」と話します。

復興に対して、村田さんはこう掲げました。

自らが選んで買ったというこだわりのカツラ

「ガンバラナイ」

ユーモアのセンスも抜群の村田さん。
カツラ姿に思わず吹き出した私でありますが、「店の前を通る子供たちをこれで笑わせる」と笑顔で話す村田さんの、温かな人間味を感じました。

「あえて頑張るなんていわずに、ありのままで、あるべき姿に戻ることが大事」

その人柄ともに、たくさんの人から愛される素敵なスイーツで、これからも多くの人を幸せにしていってくださいね。

パティスリーの看板商品「マカロン」は種類も豊富


村田さん、ありがとうございました。

■Kazunoli Mulata
多賀城市町前3-2-25
022-362-7767

(平成23年12月12日)


マイク