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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2011年12月3日土曜日

2011年12月3日土曜日17:47
こんにちは。タクシーに乗ると、ちょっと贅沢した気分になります。
石巻市不動町からアオキです。



来年2012年に創業60年を迎える、石巻のタクシー会社として最も歴史の古い宮城交通の社長五十嵐初栄さんと配車室担当今野恵太さんに、お仕事されている姿を取材させていただきました。




目の前に旧北上川が悠々と流れる石巻大橋のすぐ脇に建つ宮城交通は、3月11日の津波で多大な被害に見舞われました。

「今まで見たことのない波だった。早く終わってくれと仏様に祈りながら、繰り返し押し寄せてくる波を見ていました」と、五十嵐さん。水が引いて1階に降りられたのは3日も経ってからでした。

そこには、ヘドロに埋もれ、水没した車や小船が敷地内中に横たわっていました。会社の1階部分にあったGPSなどの配車装置や、43台あった車のうち20台が水没していました。

そんな絶望的な光景を目の当たりにし、1度は会社の解散を考えたそうです。

しかし五十嵐さんの心の中では、「これで良いのだろうか」と、困難から逃げている自分を問い詰めるような気持ちもありました。

そんな中、従業員の半数以上の方々が「五十嵐さんについていきます」と申し出てくれました。
皆の「やるべ~」という言葉と熱意ある行動に、五十嵐さんは解散を撤回したのでした。



「会社のことや五十嵐さんのことを思うと、ただ呆然としているわけにはいかなかった。社内の片付け、現状の回復に懸命に励みました」
と、今野さん。

生きていくための環境を必死に守ろうとする従業員の懸命な姿に、五十嵐さんは励まされたそうです。

再開には約1カ月かかりましたが、今では車の台数は31台まで戻り、タクシーの利用者も増えたそうです。
震災後は、接客サービス向上と年末年始の事故防止を目指して、定期的な乗務員指導集会も積極的に行っています。



「まだまだ完全復帰とは言えませんが、この先どんなことがあっても不屈の精神で会社を盛り上げ、従業員を守ることを第一に考えていきます。そしてお客様への感謝の気持ちを大切に、この地石巻で営む元祖タクシー会社として頑張っていきたいです。泣いていられないからね。果敢に挑戦していきます」
と、最後に五十嵐さんはおっしゃいました。


取材中も交わされる五十嵐さんと今野さんの会話や雰囲気はとっても温かく、石巻にある会社を思う熱意と、信頼という絆があるんだなぁと感じました。

今日も宮城交通は、熱い想いと、たくさんのお客様を乗せて走ります。


(平成23年12月3日)